【未来へ向かい挑戦と変化し続ける】CANON CANADA 小林伊三夫社長 インタビュー
カメラやプリンター以外にも、多岐にわたる事業を成長させ、業界での存在感を高めてきたCANON。カナダ現地法人であるCANON CANADAに今年赴任されたばかりの小林伊三夫社長に、今回の展示会の意図やCANONの今後の目標、さらにはカナダマーケットに対してのお話を伺った。
―オープンハウス開催の背景を教えてください。
カナダに赴任して10ヶ月になりますが、いろんな方にお会いする中でやんわりと「CANONさんの事業は大丈夫か」と言われたことがとても印象的だったんです。やはりカメラとプリンターの会社だと思っていらっしゃる方が多いからだと思います。もちろんその2つが主な商材ではありますが、一方で将来に向けていろいろと新しい取り組みもしていて、その新しい事業のことは全く認知されていないということに気がつきました。
今年CANON CANADAが50周年を迎えたというタイミングもあり、対外的にも社員に向けても我々はまだまだ変化、発展し続けていく会社であると知っていただきたいと思い、オープンハウスをを開催することになりました。
―今回の展示では新事業や新製品も多く拝見しました。会社の考え方として、新しいものをどんどん速いスピード感で生み出していくというものがあるのでしょうか。
CANONの企業DNAの1つに、新しいことに次へ次へとチャレンジしていくという意味の「進取の気性」というものがあります。実は、皆さんがご存じないところでトライアルと失敗を繰り返してきた会社です。例えばテレビ製造・販売業界に複数回参入しようと試みましたし、1990年代後半にはパソコンを発売していたこともあります。挑戦してみて、ダメだと思ったらすぐに撤退することをこれまでも今も繰り返してきました。昨今はAIなどテクノロジーの変化は激しいものがありますが、その中でもまずはチャレンジしてみてうまくいかないようならやめるという、「Fail Fast, Learn Faster」を心がけていきたいと考えています。
―今回展示していないもの以外にも、多様な事業をされていますよね。
皆さんに「こんなこともやっているのか」と思っていただけるものを実はたくさん持っています。その一端を知っていただくことで、CANONのことをもっとおもしろいと思っていただけるのではないかと期待しております。以前、当時小学生だった娘の友人が誰もCANONを知らないということがありました。1人が「おじいちゃんがカメラを持っている」と言ったくらいです。「グランドダッド(Granddad)ブランド」なんですよね。伝統的な商品はもちろんありますし歴史の古い会社ですが、ここまで事業を続けてこられたのは進取の気性を持った人が集まって挑戦を続けているからでもあります。そこを理解していただき、弊社のことを応援してくれる方が増えたら嬉しいです。
―カナダのマーケットについてはどう見ていらっしゃいますか?
ポテンシャルがすごくあると思っています。弊社の社業で言えば、もう一段高いレベルに行けるのではないかと感じています。だからこそこうやってオープンハウスも開かせていただき、皆さんからのフィードバックを得て実際にマーケットに出すことができるかを見極めたいと言う気持ちが強いです。今回展示したものは、基本的にカナダでも市場に出そうと考えています。皆さんからの意見を参考に、今後決めていきたいです。
―次の50年に向けての目標は?
これまで先輩方が築いてくれた事業についても、まだまだ深堀りできる余地があると思いますので、さらに尽力して参ります。一方で、今の新しい技術やこれまでに培ってきた販売チャネル、そして社員の能力をフル活用して、新しいエリアにもぜひ挑戦したいです。それが会社の活性化や発展にも繋がるでしょうし、カナダの役にも立つのではないかと思います。
―読者に向けてメッセージをお願いします。
皆さんがご存知のカメラやプリンター製品もこれからどんどん進化していきますので、ぜひご愛顧をお願いいたします。それと同時に、皆さんが驚くような新しいことにもチャレンジしています。そういう面もぜひ見ていただけると嬉しいです。