オンタリオの宝庫:ブルース半島 Bruce Peninsula(2)|紀行家 石原牧子の思い切って『旅』第117回
シンギング・サンズ(Singing Sands)ビーチ

トバモリー(Tobermory)で午前の遊覧船クルーズ(8月号)を楽しんだ後、ブルース半島の西側、つまりヒューロン湖側に向かう。シンギング・サンズはブルース半島国立公園(8月号)の一部で、東のジョージアンベイ(Georgian Bay)側から半島の真ん中を走る国道6号線を横切る形で繋がっている。

スケールは東側より小さいがゴツゴツした岩場の東側とは対照的に、だだっ広い砂の浅瀬が数百メートル続く。浅くて安全なため子供連れや、ペット同伴の人たちが水遊びをしている。足元で小魚の群れがゆらゆら水にゆられていったりきたりしているのを観察しながら足だけ浸かる水中ウォーキオングを楽しむ。運が良ければカメに会える。広い砂浜には日陰がないので長時間過ごすには帽子、パラソルが必要。

トバモリーから車で約10分と近いが、Singing Sandsのサインは6号線には出ていないので、ドーカスベイ通り(Dorcas Bay Road)が見えたらそれを右折すると駐車場が見えてくる。これを通り過ぎてしまうとかなり6号線を下ってしまうので要注意。
ライオンズ・ヘッド(Lion’s Head)

シンギング・サンズを後に6号線を南へ約35分。ライオンズ・ヘッドはブルース半島の東側、ジョージアンベイに面したイズスマス湾(Isthmus Bay)にあり、赤と白の可愛い灯台が目印。青い空が水とつながり、底に綺麗に転がっている石が水の鮮明度を教えてくれる。シンギング・サンズに比較して大人のビーチという感じの落ち着いたビーチ。木陰のベンチに座って時間が許すだけボーッとしていたい。大粒の玉石のビーチの後ろにはレジャーボートが停泊していて、以前ここに泊まった時は沈む夕日が湾内のボートを薄紫色に包みこんで不思議な光景を呈していた。
ビーチからナイアガラ断崖(Niagara Escarpment・8月号)の一部が見える。

高台の小さな駐車場にスペースがあれば、そこに車を置いて1時間ほどハイキングして展望台にいける。

宿泊に関して

ブルース半島は小さな半島なので宿泊施設も無数にあるわけではない。一番宿を探しやすいのはトバモリーだ。トロントを早朝に出発すれば、トバモリーで一泊し、計2日でもブルース半島は楽しめる。ガソリンは出発前に満タンにしておくことをお勧めする。ホルムス海峡の問題で石油が半島で不足になる可能性があるからだ。
さて、トバモリーでホテルは問題なかったが、2泊目はチャレンジだった。私たちのように女性二人だとツインの部屋を探すわけだが、数が少ない。クイーンサイズやキングサイズベッドの部屋、家族向きの部屋が目立つ。
探し求めて予約できたのはジョージアンベイに面した湖岸のリゾートタウン、ソーンべリー(Thornbury)だった。ジョージアンベイ沿いには近隣のスキー場のせいもあって宿泊施設は多い。ここはコリンウッド(Collingwood)の隣町といえばわかりやすいだろうか。ここが旅のフィナーレとして思いがけない素敵な穴場になった。
ソーンべリー(Thornbury)

人口約3500人の小さな街はスキー場で有名なブルーマウンテン・リゾート・エリア(The Blue Mountains地区・人口約9500人)に属する。昔はスキーに便利なコリンウッドに泊まるのが常だったが、今回ブルース半島の旅の終わりに初めてこのソーンベリーに来ることに。部屋は港に面していて、建物を出るとすぐに桟橋へと足が向くようにできている。
夏の陽はまだ高く、空とも水とも区別のつかない空間をヨットがまるで絵画『夏』を演出しているかのような光景にしばし心を奪われる。夕焼けを堪能してからレストランへ。ここにはいいレストランが数軒ある。私たちはもちろんシーフード。ホテルの裏にはソーンべリーのダウンタウンが広がる。翌朝歩いて街にでる。カフェ、レストラン、ブティック、アンティーク、アート・ギャラリー、チーズ屋、アクセサリー店、など楽しいお店がいっぱい。トロントより物価は安い。

チーズ屋さんでサラダとコーヒーの朝食を済ませ、お土産にオンタリオ産のチーズを買い、二人でイタリア製のカジュアルウェアーを安く買い、老舗のソーンベリー・ベーカリー・カフェでアイスコーヒーを飲み出発準備完了。この街は今リタイヤ族に注目されているのだとか。ハイキング、サイクリング、スキー、水遊び、ゴルフ、と四季を通して楽しめる楽園らしい。トロントから約2時間半という近距離の便利さもある。いつかまた寄ろう。

石原牧子
オンタリオ州政府機関でITマネジャーを経て独立。テレビカメラマン、映像作家、コラムライターとして活動。代表作にColonel’s Daughter(CBC Radio)、Generations(OMNITV)、The Last Chapter(TVF グランプリ・最優秀賞受賞)、写真個展『偶然と必然の間』東京、『久遠に逢う』東京・熊本、雑誌ビッツ『サンドウイッチのなかみ』。3.11震災ドキュメント“『長面』きえた故郷”。PPOC認定会員、日本写真協会会員、AFP、ESL教師。www.makikoishiharaphotography.com
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