【イベントレポート】トロントでも魅力に映る岩手の食材|三大特集で送る「戻ってきた日常」
今回振る舞われたのは、「いわて牛」、りんごの「サンふじ」と「こうこう」、日本酒「南部美人」、ブランド米「銀河のしずく」といった岩手を代表する食材だ。それぞれ素材を存分に活かす様々な調理方法で参加者たちに提供された。
特に会場の人気を集めていたのがいわて牛。ローストビーフとしゃぶしゃぶで提供され、和牛にわさびやポン酢をつけていただく食べ方はトロントでも人気だ。すでに和牛はトロントでも知名度があり、和牛を食べられるレストランは少なくない。「いわて牛」はこれからトロントの和牛ビジネスに参入が期待されている。
参加していたステーキハウスの経営者は、特にローストビーフのフレーバーと食感が気に入ったという。また、食材を探しに来たというトロントでスーパーマーケットを経営しているという方もいわて牛の美味しさに感動していた。
和牛と並び、海外で圧倒的な知名度を誇る日本酒。ステーキハウスやアジア料理のレストラン経営者は、すでに自身のお店で日本酒を提供しているそうで、レセプションでは新しい日本酒を探していた。提供された「南部美人」は国際的な賞も受賞している日本酒で、すっきりとした味わいが特徴だ。岩手のきれいな水や米を使ったこだわりある味わいに魅せられて、さっそくメニューに取り入れることを検討する人もいた。
岩手の名産・りんごは「サンふじ」と「こうこう」が提供された。カットされたりんごに加え、りんごのゼリーにタルト、またキャベツとの味噌和えという珍しい味わい方で提供されていた。
トロントにもりんごはあるが、岩手のりんごの程よい甘さが評価されていたが、そのフレーバーがトロントの人にも楽しまれることを期待しているとのことだ。また、はちみつやシナモンと合わせても美味しい岩手のりんごのユニークさが、カナダ人の目にも魅力的に映っているようだった。
自然の豊かさとそこからもたらされる食材で、国際的なマーケットへの参入を始めた岩手県。近い将来に、海外で岩手の食材を目にする機会が増えるかもしれない。岩手県食材の余りある魅力を、直接トロントの人たちに伝えることができたレセプションイベントとなった。
トロントに岩手の食材の大きなマーケットがあることを実感達増拓也岩手県知事
すでにトロントの飲食店で岩手の牛肉や日本酒を使っている方もいて、岩手県の食材のクオリティの高さを確認できました。反対に、今回初めて「いわて牛」などを食べられた方からは、大変おいしい、食べたことのない美味しさだという感想をいただきました。商談ももうすでに進んでいるところもあり、大変ありがたいです。トロントは国際的で、新しいものが求められている都市という印象です。
岩手の食材はクオリティの高さを武器に輸出に力を入れ始めています。手応えとしては、力を入れれば入れるほど輸出先からの反応が良く、手応えを感じています。今回のトロント来訪のように、私自身が現地に向かうのは、岩手の魅力を直接相手に説明したいからです。また、直接訪れることでマーケットの反応を感じることができるので、それを生産者側に伝えたいです。トロントで岩手の食材がマーケットを得ることで、トロント在住の邦人の皆様にも岩手の食材を利用していただければと思っています。
食材を通して生まれる新たな繋がり
岩手県に移住して13年が経過し、今回通訳として公邸に訪れていた女性は、当初岩手に強いイメージはなかったものの、移住してから岩手の食材が大好きになったとのこと。岩手の豊かな自然とそこから生み出される食材に魅せられ、ずっと岩手に住んでいたいと思っているそうだ。今回のようなレセプションを通して、まず岩手の味を知ってもらい、そこから岩手の食べ物を活用して新たな繋がりが生まれることを期待していると語ってくれた。