昨年に引き続き大盛況にて終幕 Japan Festival CANADA 2017
動員人数なんと70,000人超!
清々しい晴天に恵まれた8月26日、27日、2日間にわたりカナダ最大とされる日本のお祭りJapan Festival CANADA 2017がミシサガの中心地と言えるCelebration Squareで開催された。昨年は4万人を動員した同イベントは、なんと今年は3万人増の7万人という動員人数を叩き出した。この数字はカナダにおいての日本の人気や興味関心を顕著に表していると言って良いだろう。夏の終わりの日本にフィーチャーしたビッグイベントをカナダに住む人々がどのように楽しんだか、TORJA編集部は徹底取材を行った。
今年のJapan Festival CANADA 2017のテーマは「カナダ建国150周年を日本からお祝いする」こと。昨年行われたJapan Festival Mississaugaの開催の大きなきっかけといえば、ミシサガ市が愛知県刈谷市と姉妹都市締結をしてから2016年に35周年を迎えたことであったが、今年はテーマやコンセプトが一新され、日本からの豪華ゲストたちや新たなイベント企画を打ち出し、カナダと日本の結びつきをより色濃く表現した2日間となった。
カナダ建国150周年記念式典
イベント冒頭、開会記念式典が行われ、Japan Festival実行委員長の若狹輝行氏をはじめ、カースティー・ダンカン連邦政府科学大臣、門司健次郎駐カナダ大使、中山泰則総領事、ボブ・ディレイニーオンタリオ州州会議員、NTN株式会社・鈴木泰信相談役、ミシサガ市ロン・スター市議会議員、同ジョン・コバック市議会議員が登壇。
昨年に続き、Japan Festivalの実行委員長を務める若狹氏は「皆様、本日はJapan Festival Canada 2017にようこそお越しくださいました。Japan Festivalは去年初開催を遂げ、カナダ最大級の日本のお祭りとして認知されていますが、それはここにお越しいただいた皆様、協賛してくださっている企業の皆様、各関係者の皆様、お一人お一人のお力があったからこそです。心より感謝申し上げます。今年は建国150周年であり、来年は日加修好90周年の年となります。このお祭りを通してカナダと日本の絆がより強いものとなり、皆様には本物の日本をこちらで感じていただきたいです。」と謝辞を述べた。挨拶の後はお祝いの席の日本の伝統行事である鏡割りで、このJapan Festival CANADA 2017の開催を祝った。
今年も各所に長蛇の列が!日本の縁日フードを通して日本を発信
夏祭りに絶対欠かせないものといえばやはり「食」。今年はトロントの人気店などを含む20もの屋台が集結し、お店自慢のバラエティ豊かな日本料理や抹茶、日本酒といった日本の飲み物を販売した。会場オープンほどなくして、それぞれのお店で長蛇の列が出来始め、クローズ時間まで多くの人々が絶えず日本食の屋台に列をなしていたことには、TORJA取材班も驚きを隠せなかった。
たこ焼きやかき氷、お寿司、焼きそば、焼き鳥、唐揚げなど、日本の食を心ゆくまで堪能した人々に感想を聞いてみると全員が声を揃えて「日本食が大好き。どれを食べてもとにかく美味しい。」と言ってくれた。日本の食、特にこういった縁日フードがカナダで受け入れられているということを、肌で実感することができた瞬間であった。
やっぱり日本はすごかった!日本の安全・安心・最先端の技術を体験
Japan Festival CANADA 2017には多くの日本企業がそれぞれの商品や技術を体験出来る企業ブースを出展し、日本が誇る最先端の技術をアピールした。スポンサーの一つであるNTN株式会社は、来年で設立100周年を迎える日本を代表する軸受(ベアリング)製造会社だ。今回NTNブースでは、実際にベアリングの部品を自分で組み立てる体験ができ、訪れた子供達は皆興味津々。その他にもFUJIFILMやCANON、SUBARU、YAMAHAといった日本を誇る大企業たちのブースがずらりと並び、日本人はもちろん、カナディアンの人々も日本の創り出す信頼性の高い技術に関心しきりであった。
今年初!日本とカナダを繋ぐスター発掘TOKYO CANADA TALENT COMPETITION
今年のJapan Festival CANADA 2017の大きな注目ポイントといえば、タレント発掘オーディションTOKYO CANADA TALENT COMPETITIONだ。優勝者には日本とカナダの往復航空券、そしてデビューへの特典が与えられるとあり、なんとオーディションには総勢300名以上のエントリーがあった。当日は予選を勝ち抜いた上位4組のパフォーマンスが行われた。事前に行われたオーディションを勝ち抜いた強者たちは、それぞれのジャンルやスタイルが違い、非常にレベルの高い個性豊かなステージを届けてくれた。
今回名曲『千の風になって』を歌い、見事優勝を手にしたエリザベス・サントスさんは「幼い頃から歌を始めて、日本のアニメを見たことをきっかけに日本の文化や全てが大好きになり、いつか日本で歌うことが私の長年の夢でした。だから今回の大会で夢を手にできて本当に嬉しく、皆様に選んでいただけたことを心から光栄に思います。これから日本でもキャリアを積めるよう、これからも努力します。」と語った。
日本からの超豪華ゲストらも出演!日本文化を伝えるステージパフォーマンス
Japan Festival CANADA 2017の1日目、開会式後のステージングを飾ったMONKEY MAJIKのお二人は、カナダ生まれの日本が誇るアーティストであり、2009年の日加修好80周年の折には日加親善大使に任命されている。現在も彼らの楽曲は多くの企業のCMなどでも起用されており、私たち日本人にも馴染みの深いアーティストだ。代表曲、『fly』や『Together』を含む6曲をアコースティックに優しく歌いあげ、会場に駆けつけたお客さんを一気に盛り上げたMONKEY MAJIK。
夜にはボカロ界の貴公子として知られる八王子Pさんが日本から駆け付け、ボーカロイドを使ったリミックス曲でDJを披露、会場は深夜まで熱気に満ち溢れていた。そして、両日のオープニングアクトを務めたYouth Theater Japanは才能ある日本の若者らが所属する日本初の国際的ユースシアターだ。2日間にわたり、海外という場でステージを務めあげた子供達は「カナダという場所で、こんなに大きい会場でパフォーマンスさせていただけて本当に光栄でした。緊張もしていましたが、お客様みんなを巻き込んで楽しくステージングできたのではないかと思います。これからも日本の素晴らしい文化を伝え続けられるよう頑張ります。」と語ってくれた。
この他にも、合気道や和太鼓といった日本の伝統を伝えるステージに触れた会場の人々は、また一つ日本のことについて新たな一面を知ることが出来たようだ。
インディ500にて日本人初の伝説的勝利を収めたレーシングドライバー佐藤琢磨選手が特別ゲストとして登場!
今年5月に行われたインディ500にて、日本人史上初勝利を飾った佐藤琢磨選手が、なんとJapan Festival CANADA 2017に招待されることとなり、当日はステージに登壇し観客を賑わせた。
ステージ上で佐藤選手は「誰しもが自分の中に思い描く夢があると思いますが、夢を叶えるということは決して簡単なことばかりではありません。でも僕にとっては、何も不可能なことなどないと思っています。10歳の時に見たレースをきっかけにレーサーを志したものの、幼い頃からレースに関する環境も何もないところから始め、20歳から学校に通い20年という月日をかけて夢を見続けてきた僕は、日本人初となるインディ500での優勝を果たすことができました。チャンスはいつも自分が必要な時ばかりに巡ってくるとは限らないものです。だからどんなチャンスであっても、皆さんには挑戦し続けて欲しいと思います。」と観客たちに語り、会場からは拍手がわき起こった。
その後は子供達とのサイン会、またトロント商工会による交流会なども行われ、会場を訪れた人々は大スターと過ごすつかの間のひと時を心から楽しんでいた。
こうして、大盛況にて惜しまれつつも今年の幕を閉じたJapan Festival CANADA 2017。来年はいよいよ日加修好90周年を迎える記念すべき年であるため、さらなるパワーアップが期待されるだろう。これからもJapan Festivalを通して、日本とカナダの絆がより強くなり、互いに支え合い、成長しあっていくことを心より願う。