生ハムが好き!
女性に特に人気の生ハム。今回はトロントのレストラン、精肉店などでも馴染み深いイタリア産と、スペイン産の生ハムを取り上げます。
イタリア産生ハム
古代ローマの時代より人々に愛されてきた歴史を持つイタリアの伝統食品、生ハム。生ハムといえばコレという、世界三大ハムの一つパルマ産のプロシュート・ディ・パルマとサン・ダニエーレ産のプロシュート・サンダニエーレが代表的。
イタリアの生産量の6割を占めるパルマ産は白豚の腿肉を使用。勳煙せず、天然塩だけで味付けされる。パルマ地方の気候を活かし長期乾燥、熟成させることにより、余分な水分と油分が抜け芳香な風味でまろやかな味となる。生産量は多くないものの繊細で独特な風味が人気のサン・ダニエーレ産。パルマ産と似た様な工程なのだが、製造途中で水分を抜くためにプレスされる。そのため平べったい形、生っぽさが少なく、塩気が少ないのが特徴。
また、イタリア産プロシュートの脂肪分は、オリーブオイルなどと同じオレイン酸や、ミネラル質に富んだ良質なタンパク源を多く含むことでも知られている。栄養価が高く、芳醇な香りのイタリア産生ハムは、甘みがあり、塩分が低いので果物はもちろん、どんな種類のパンにもマッチする。
スペイン産生ハム
イタリア産よりも塩気が少なく、凝縮した味わい、食感が特徴のスペイン産。
「山のハム」という意味をもつハモン・セラーノは原料の白豚を塩漬けした後、数ヶ月から数年、ゆっくり時間をかけて風乾させて作られる。スペインのハモン・セラーノ協会では、豚の原産地、飼料、輸送、屠殺から製造・熟成工程の全てが厳重に管理され、その必要条件を満たした製品にのみ保証スタンプが押され、出荷が認められている。長い熟成期間に生まれる複雑な風味と香りが好まれ、一般的な食べ方としては、生のままオードブルやサラダ、サンドイッチなどに使われることが多い。
どんぐりなどの木ノ実を食べて育った黒豚、イベリコ豚を原料にしたハモン・イベリコも代表的なスペイン産生ハム。ハモンの中でも最高級品に位置する。他の豚と異なり、飼育方法の違いによりグレードが三段階に分けられるのが特徴。
どんぐりを主体に育った一級の(べジョータ)を使用した「ハモン・イベリコ・デ・ベジョータ」は生産量も少ない最高級品種。どんぐりで体重を増やしきれず飼料が与えられた豚(レセボ)から作られたハムは「ハモン・イベリコ・デ・レセボ」、どんぐりを一度も食べなかったイベリコ豚は(セボ)と呼ばれ,「ハモン・イベリコ・デ・セボ」として出荷される。
放牧され、ストレスのかからない環境で育ったイベリコ豚を使用したハモンは、霜降り状のきめ細かな脂が赤身肉の中に入り込み、口中でとろけるような食感となる。しかも、製造過程で乾燥、熟成している間に飽和脂肪酸よりも低い温度で溶ける脂肪に変化し、体に残らないため太りにくい。
生ハムが美味しいレストラン
the Black Hoof
珍しい部位の肉を出すことで有名なこちらのレストラン。生ハム以外にもサラミやチーズ、自家製ハムの盛り合わせメニューもあり、サイズも選べるので初心者でも楽しめる。その日に仕入れた新鮮な食材でメニューを決めるため、店内の黒板で確認を。ディナータイムのみ営業、火・水休み。
928 Dundas St.W / 416-551-8854
Cava Restaurant
スペイン式の生ハムを試したいならここ。口コミサイトでも評判の高い人気のレストラン。ピンチョスなどスモールプレートでサーブされるので、カジュアルに楽しめる。こちらもディナーのみの営業。
1560 Young St. / 416-979-9918
www.cavarestaurant.ca
Bar Salumi
お洒落なエリア、Roncesevalls Villageにあるこちらのレストランはイタリア式の生ハムがオススメ。生ハムと聞くとメロンやワインのイメージだが、こちらでは生ハムを使用したピザもあり単品で頼むのに抵抗がある人でも入りやすい。
1704 Queen St.W / 416-588-0100
www.localkitchen.ca