【第14回】国際結婚、花嫁の母にインタビュー|私、国際結婚します!! でもちょっとその前に知っておきたいお話
前回は、国際結婚の花嫁の父のご意見を紹介しましたね。「国際結婚では、配偶者の国へ移った方が損だ!」という歯に衣を着せぬ物言いに感じ入った方もいらしたでしょう。
さて、今回は、母親の番です。もう結婚はしないと思っていた仕事一筋のお嬢さんの国際結婚のお話です。
キャリア・ウーマン
「うちの娘ね。いわゆる、キャリア・ウーマンだったんです。いい大学行って、大手に就職して、総合職で取ってもらったんですよ。ええ、自慢でしたよ。当時はね…本人も『幹部職候補よ』って、張り切ってました。
ところがね、同級生がどんどん結婚してくんですよ。一緒にランドセル担いで学校へ行っていた子たちが、次から次へと結婚して、気がついたらその子たちの子どもがランドセルを担いだりしてて…。みんな「焦ることとないわよ、お宅のお嬢さんは優秀だから、そのうちすごいエリート連れてくるわよ」とかって…余計なお世話よね。みんな集まれば、孫の話ばかり…。
なんか、ここに来て負けたような気がして…だって、小学校の頃からから、ずうっと羨ましがられてきたんですよ!入試の時も就活の頃も花形で…。」
女性の幸せは、やはり結婚!?なのに婚活では戦力外、というか、「エントリーさえしていなかった」というお嬢さん、「随分心配した」とおっしゃいます。「女性の幸せは、やはり結婚ですものね」というお母様に一体どういうご縁で国際結婚をなさったのかをたずねてみました。
「会社に出張だかなんだかで来てたアメリカ人と付き合い始めて、しばらく遠距離恋愛をしているうちにアメリカに来ないかって言われたんです。」
お仕事頑張っていたお嬢さん、さぞかし悩んだに違いないと思いきや、「あっという間にアメリカに行っちゃった」のだそうです。
「娘にとっては、なんか『渡りに船』だったみたいですよ。どうやら、仕事もつらくなってきてて、やっぱり男性社会でしょ、日本って。アメリカなら自分の力をもっと認めてもらえると思ったみたいですよ。彼にもそう言われたようですね。
私は、単に嬉しかったですよ。三十をとっくに過ぎた娘の結婚で自慢できるのは、国際結婚くらいですもんね。」
国際結婚:イメージと現実
やはり、「国際結婚=かっこいい」というのは、根強いイメージのようですね。でも、イメージと現実との間には、ギャップがあったとお母さんは続けます。
「それがね、職場で出会った彼との国際結婚だから、ご近所が言ってたようにエリートね、って思ってたんですけど、実際にはそうでもなかったらしくて…。結婚したら大きな家を買うっていうから、お金持ちなのねって思ってたら、娘の貯金を当てにしてて…。頭金、私たちも出しましたよ。まあ、日本にいたってそれくらいはしてやったと思うしね。」
このお母さんが国際結婚に対して抱いていたイメージは、「かっこいい」の他に「相手の男性はお金持ち」ということのようですね。
行動力と国際結婚
もう一つ、「アメリカなら女性でも力を認めてもらえる」というイメージはどうでしょう。渡米後、お嬢さんはご自身の夢を追うことができたのでしょうか。
「日系の会社に現地採用されたんですけど、駐在の男の方達とは大違いの待遇だそうです。ただの通訳だってぼやいてますよ。」
いえいえ、通訳として即戦力であるのならば、たいしたものです。国際結婚を決めた時同様、行動力を発揮されているようですね。自分で切り開いてゆく新しい未来!素敵ですね。
「ま、どんな結婚でも色々あるとは思いますけどね、自分で決めたんだからがんばってほしいですよ。こればっかりは私らには何もしてやれませんもんね。」
海の向こうの我が娘を思う母の気持ちが、よく伝わってきますね。国際結婚の花嫁の母、お嬢さん同様、とても素敵な方でした。
APJW 月例勉強会
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野口洋美 心理学名誉学士(HBA)、コミュニケーション学修士(MA)
NPO法人APJW代表:別居や離婚を経験することになった日本女性の相互支援(ピアサポート)団体(web:apjw.info)の代表として、自立に向けての様々なテーマで勉強会を毎月開催。2015年、APJWはオンタリオ州のNPOとして承認される。国際離婚関連の執筆多数。離婚駆け込み寺(日加タイムス)、ひとり親のつぶやき(mamma、日系ボイス)など連載。2014年、国際離婚とハーグ条約をテーマにヨーク大学にて修士論文を発表。法律通訳としても活躍中。