Please!は敬語!?|めるものえいご【第6回】
最近は、3-4月に帰国を控えた方の、「留学総仕上げ」学校相談ラッシュですね。日常会話がある程度できるようになると、①ビジネスや目上の人にも通じる丁寧/敬語表現を学びたい、②スラングなどもっと砕けた表現を学びたい、と思う方、大きく2つのグループに分かれるようです。
英語は、敬語がないから誰にでもフランクに話せて便利!と思っている方が多いですが、知らずに失礼な言い方をしているかもしれませんので、本日は、丁寧表現を少しご紹介しますね。特に題名にもあるように、命令文にpleaseをつけたら敬意が伝わる、という勘違いはよくあるようです。
Call me, please. は、電話してね。くらいの意味しか無く、それだけでは決して敬語表現にならないことは知っておいてくださいね。
さて、日本語の敬語と言えば、ざっくり分けて、丁寧語、尊敬語、謙譲語に分かれますが、英語にだって似たような表現はあります。色々なパターンを下にご紹介しますね。
動詞の時制を変えるパターン
Will you lend me some money? お金貸してくれへん?
→ Would you / Could you please lend me some money? お金を貸して頂けませんか?
日本語では、謙虚になることを「一歩下がる」と表しますよね。英語では、「下がる」という感覚を、「時制を戻す」ことで表します。過去形を使うことそれ自体が謙虚さ、丁寧さを表しています。
決まった表現を使うパターン
Can I get a hamburger?/I’ll take a hamburger. ハンバーガーください。
→ I would like to have a steak with a garden salad please. ステーキとガーデンサラダを下さい。
日本語と一緒です。きちんとしたお高いレストランで、オッサンが、「ねぇちゃん、ビール持ってきてや~!」と怒鳴っているのはかっこ悪い!ですよね。would like 物、もしくはwould like to 動詞で、~が欲しいのですが、~がしたいのですが、という表現になります。
直接質問を避けて、回りくどく言うパターン
Do you have a table for 4 ? 4人やねんけど、テーブル空いてる?
→ I was/am (just) wondering if you have a table for 4. 4人なんですが、テーブルは空いているかなと思いまして。
→ Would it be possible to accommodate a party for 4? 4人席を取って頂くことは可能ですか?
これは日本語的に考えても分かりやすいと思います。Ifは仮定表現ですから、~だったら嬉しいんですけど、という謙虚さが伝わります。
直接的な語を避けるパターン
Give me change, please. 小銭めぐんでよ。
→ Could you spare me some change? 小銭をちょっと分けて頂けませんか?
トロントには、人の小銭をあてにして、路上に座っている人たちがたくさんいますが(笑)、あまり直接的に言われると、「え、嫌」と即答したくなります。
言葉を加える/ビジネス表現パターン
Fax me the document ASAP(as soon as possible). その書類、大至急送って。
→ Please kindly fax me the document at your earliest convenience. お時間のある際に、書類をFAXして頂けますと幸いです。
これも日本語と同じですが、言葉を足すことで、謙虚さ、丁寧さを出します。
カジュアル表現を避けるパターン
I gotta go now. もう行かな。 → I have to go now. もう行かないといけません。
Just give me a shout anytime.いつでもいいから連絡してや。
→Please feel free to contact me anytime! いつでも連絡してください。
wanna/gottaやスラングなど、フランクな表現は、あくまで友達同士で使う表現です。年上の人、よく知らない相手の場合は、敢えて使わないことでニュートラルな表現にします。そこから、上を参考に敬語表現にしてみましょう。
wantを丁寧に言いたい時は何て言いますか?といった質問をよく聞きますが、日本語の敬語のように、単純に「言う→おっしゃる」という言い換え表現があるわけではありません。場面や相手によって色々な言い方がありますから、カナダ滞在中には、異なる年代・グループの方々と話をして、真似してみてくださいね!
海野 芽瑠萌(Merumo Unno Thorpe)
日本の進学塾にて英語文法・受験対策で5年以上の指導にあたり、数多くの生徒を関西の有名高校へ合格させる。カナダでは英語教育者としての経験と、自身の留学経験を生かしながら留学エージェントへ勤務、その後語学学校にて更なる経験を積んだ後、2012年、トロントで最大規模の留学エージェントBRAND NEW WAYを起ち上げる。現在トロントマネージャーかつカナダ統括ディレクターとして、実践のみならず知識・教養としても役立つ語学留学の提供を目指す。