【私の歌を通して、私自身のことも ちょっとずつ知ってほしい】ジャパンフェスティバル・カナダに参加 アニソンシンガーMindaRyn(マイダリン)インタビュー|#トロントを訪れた著名人|特集「特別インタビュー」
2024年8月17日にミシサガ市で開催のジャパンフェスティバルに参加したMindaRynさんに、アニメソングを歌うようになったきっかけや、カナダのライブに参加する心境を伺った。
初めてのカナダでファンに会う
ー初めてのカナダの印象はどうですか?
高いビルがとても多いなという印象で、Civilization(=文明)を感じます。街もとても綺麗で、もう住みたくなりました、早いですね(笑)。
ー先ほどファンミーティングがあったと思うのですが、カナダのファンの方々の反応はいかがでしたか?
みんな本当に優しかったです。温かいメッセージもたくさんもらって、すごく心が温まりました。
日本のアニメ、文化が大好きで、歌うきっかけに
ータイから東京に移った時の日本や東京の印象はどうでしたか?
もともと日本が大好きで、日本に住むことが夢だったので、その夢が叶って嬉しかったです。でも実際に住むと、思っていたのと違うこともあって。例えばゴミの分別は、細かくて驚きました。あとはゴミを毎日捨てられず、家にキープしないといけないことも驚きでしたね。
ー日本のアニメソングに興味を持ち、好きになったきっかけは?
父の影響です。父は日本の文化が大好きで、X JAPANさんの大ファンでした。日本の文化や、アニメのことは父から教わりました。最初は兄と一緒にアニメを見ていて、すごく楽しくて、どんどん見てファンになりました。初めてファンになったアニメは、デジモンアドベンチャーで、兄と一緒に好きになりました。
ー歌うことも好きでしたか?
好きだったけど、得意じゃありませんでした。母には、うるさいと言われていて(笑)。でもたくさん歌ううちに、どんどん歌えるようになりました。最初に歌った曲は、デジモンのオープニング曲のButter-Flyでした。これが、アニソンを歌うことが好きになったきっかけですね。
ータイの曲を歌うこともありますか?
タイの曲は、よく聞いていましたが、あまり歌わず、好きな日本の曲ばかり歌っていました。最近は少しタイの曲も歌ったりします。
MindaRynさんの日本の好きなところ
ーアニメや、アニメソング以外に日本のカルチャーで好きなことはありますか?
日本の自然が大好きです!私は温泉が大好きで、何度も別府温泉に行っています。あの特別な、多分硫黄の匂いが好きなんです(笑)。箱根の温泉も行きましたし、東京でも温泉ではないけど、お風呂に行くのがとても好きです。
ー日本の食べ物はいかがですか?
日本の食べ物も、大好きです。鰻が大好きなんです。でも高級すぎないリーズナブルな鰻丼や、すき家の鰻とかが好きです。
ータイにいる時と、日本にいる時と食べるものは違いますか?
タイにいる時はタイ料理を食べることが多いですね。日本にいると、日本食もタイの料理もどちらも食べています。自分で作る時はタイ料理が多いんですけど、最近は日本食にもチャレンジしていて。味噌汁や、卵焼きも作りましたし、朝ご飯に鯖も食べています。
タイから日本へ。MindaRynさんが感じたこと
ータイから日本に来たきっかけは、タイで人気が出てきたからですか?
最初はYouTubeでカバーしていて、人気だったかは分からないんですけど、「日本で歌いませんか?」と、声をかけていただいたんです。でもすぐにデビューできる訳ではなくて、2年くらいタイと日本を行き来しながら歌の練習もして、2年かけてデビューすることが出来ました。
ーデビューに向かって、階段を上がっていく時の気持ちはどうでしたか?
いつデビューできるのか分からなかったけど、日本で歌うことが自分の夢でした。あとタイにはライブハウス文化がないので、ライブハウスで歌うのが楽しかったです。日本ではたくさんライブハウスがあって、色んなアーティストさんが頑張っていて、その雰囲気がめっちゃ好きで、パッションをもらっていました。
ー日本で活動することに対して、家族は皆応援してくれましたか?
日本で歌うのは知っていたのですが、日本でデビューするとは言っていなくて。デビューすることを、ファンの皆さんと同じタイミングで伝えることになってしまい…デビューするということで日本に引っ越すということを言っていなかったので、ちょっと怒られました(笑)。でも今は応援してくれています。
ー漫画やテレビで見る思い描いていた日本と、実際に日本に住んでみて、ギャップはありましたか?
ギャップというより、思ったより普通だなと感じました。アニメみたいに大きなアクションとかはなくて、少女漫画のラブラブなシーンも街の中で見かけないし、アニメと違うなと思いました(笑)。そういうことは、いっぱいありましたね。あとは、日本人はみんな結構ルールを守っていますね。タイではルールに対してルーズなところもあって、そこで過ごしてきた私には、日本に引っ越した時に慣れる必要がありました。
ー日本は閉鎖的な国で、男性が少し強いような雰囲気もあり、そういったことをアーティストとして感じたことはありますか?
多分外国人だからかもしれませんが、あまり感じていません。もしあっても分からないかもです。自分にとっては、全然ハッピーに生活しています!
MindaRynさんが日本語や言語学習に対して思うこと
ー日本語がとてもお上手ですが、日本語の難しいところはどういうところですか?
日本語は全然まだまだです。難しいところは、いっぱいあります(笑)。まずは、日本語の「が」と「を」を使う時が難しいです。英語の“Open the door”は1通りしかありませんが、日本語は「ドアが開く」と「ドアを開ける」など2つの言葉を覚えないといけないことが難しいです。あとは、敬語も難しいですね。敬語を使いたいですが、まだまだ上手くできません。
ーカナダでは英語の勉強をしに来ている日本人がいっぱいいるのですが、言葉をブラッシュアップするコツやアドバイスはありますか?
いいアドバイスかは分からないですが、合ってるか合ってないか分からないけど、とりあえず話してみることですかね。日本人は結構perfectionist(=完璧主義者)が多いので、たまに間違っちゃうかもしれないから話さないときもあるなと感じます。間違ってもいいから、Try to use English as much as possibleでとりあえず喋ってみることですね。間違ったら相手が直してくれるかもしれないので、そうしたほうが早く習得できると思います。
ーアニメソングなどの日本語の歌を覚える時は、音の感覚か、言葉の意味を理解してなのか、どのように覚えていますか?
私は意味を覚えています。自分の曲なので、意味が分からないと気持ちを表現することができないので。たまに分からない日本語がいっぱいある時は、作曲家さんと話して、この曲はどんな感じか、この言葉はどういう意味なのかを聞いて、全部理解してから歌っています。
MindaRynさんの音楽活動について
ーご自身の存在や、歌がどのように影響したら嬉しいですか?
私が歌っているのはアニメタイアップなので、アニメの世界観も込めていますが、たまに自分のピースも入っています。自分のストーリーやキャラクターも歌で表現しているので、私の歌を通して、私自身のこともちょっとずつ知ってほしいなと思います。
ーカナダではどんなライブにしたいですか?
初めてのカナダなので、皆さんと盛り上がっていきたいです!カナダのお客さんはどんな感じなのか、感じたいですし、一緒に楽しんでいけるようなライブにしたいです。たくさんのファンの方に会えることが楽しみです。
ー次の目標を教えてください。
先輩であるFLOWさんや、BURNOUT SYNDROMESさんがワールドツアーをしていて、「海外でやるライブ最高だよ!」と言われていたので、新しい目標はワールドツアーです。まずは日本で頑張って、日本のツアーができたら、ワールドツアーの夢を叶えたいです。
TORJA読者へのメッセージ
私のことをまだ知らない方も多いと思います。私はタイ出身で、日本のアニメがとっても好きです。日本のカルチャーも本当に大好きで、世界中の皆さんにもこういう日本の素敵なところを広めていきたいなと思っていて、これから全力で頑張ります。雑誌を読んでいる皆さんが、少しでもMindaRynの名前を覚えてくれて、応援してくれたら嬉しいです。
タイ出身のアニソンシンガー。母国語のタイ語の他に日本語も英語も使いこなすトリリンガル。現在のYouTube登録者数は114万人を超え、動画の総再生数は約1.3億回を数える。2020年11月、TVアニメ『神達に拾われた男』エンディングテーマ「BLUE ROSE knows」でLantisよりアーティストデビュー。以降、『転生したらスライムだった件』、『ありふれた職業で世界最強』、『ウルトラマンブレーザー』などをはじめとする数々の人気アニメ・特撮の主題歌を担当する。
特にTVアニメ『転生したらスライムだった件 第2期』オープニング主題歌第二弾「Like Flames」は、総ストリーミング再生数が現在4000万回を超え、世界中で知られるきっかけとなった楽曲である。数々の人気アニメの主題歌を担当する、今注目のアニソンシンガー。