MUJI 体にフィットするソファ
体に吸い付くような感覚でソファに溺れる。一度座ったが最後、この心地良い感覚が「もう動きたくない」という信号を脳に送る、これこそまさに“人をダメにするソファ”
5年程前に今の住まいに引っ越してきてから、“自分専用ソファ”が欲しくなった。ソファを置く場所もとっくに決めていて、そこに座ってゆっくりと本を読んだり、お茶をすすったりしたらどんなにか贅沢な気分で寛げるだろう、と思ってはいるものの、肝心のソファがいつまでたっても見つからない。
一番重要なのは、もちろん座り心地。街のどこかのカフェのような、ペラっと一枚板の椅子はお世辞にも心地いいとは言えないし、見た目だけが重視のお洒落なソファも、座ってみるとなんとなくしっくりこないということもある。以前家具屋で見かけたとても素敵なソファは、目が飛び出そうなほど高額だったっけ・・・。手頃な値段設定のものはやっぱり嬉しい。第一、大金をはたいて購入したソファに飽きてしまったら・・・?
そう、飽きのこないデザインっていうのも、これまた重要なこと。部屋の模様替えをしたり、雰囲気を少し変えてみたい時だってある。だからあまりに凝ったデザインは後々考えると長く使えないかもしれないし、だからと言って、普通すぎても面白くない。
ここまで書いて思ったけど、私、ワガママすぎやしませんか? でも何と言っても“自分専用ソファ”ですもの。とことんこだわりたいんです。
そんな私のワガママを知ってか知らずか、昨年トロントにオープンしてすごい話題になった、世界中で人気のMUJI から販売されているソファを試す機会が訪れた。
商品名は“体にフィットするソファ”。このソファ、巷では“人をダメにするソファ”と言われているそう。一体どういうこと!?
実物を実際目にして、私が想像していたソファとは全く違ったデザインだったことにまず驚き。大きな四角いクッション、もしくは柔らかいオットマン(ソファの足置き)とでも言うような。サイズは縦65cm x 横65cm x 高さ43cmで、座り方によってソファの形が自由自在に変わる。43cmという高さも使用の方法次第でぐっと低くなり座椅子に座っている時のように足をのばすこともできる。特に私たち日本人は、床に直接座って生活をした経験のある人が多いはず。「ああ、そうそうこの感覚。」と、海外生活では忘れていた生活習慣を思い出す。ただ座るだけではなく、もたれかかったり、ダラリと寝転んでも快適。テレビの真ん前に陣取りたいとか、部屋の片隅でリラックスしたいとか、そんな場所移動も約6キロの重量なので楽々運べる。
通常フカフカの柔らかいソファは、最初のうちは心地いいけれど、しばらく座っているとだんだんと疲れてきて、気がつくと、あっち向いたりこっち向いたり、ひねったり、モゾモゾしているなんてことがある。このソファはフカフカというよりも、体に吸い付くような感覚。中身の正体は、微粒子のビーズだそうだ。それで動く度に体にフィットするわけか! それに加えてソファカバーも、好みに応じた素材を選べるし、色もMUJIならではのセンスの良さをうかがわせる色揃えで、どんなタイプの部屋にもマッチしそう。
遊びに来た姪甥っ子達は、このソファを見るなり飛び乗ってずっと遊んでいる。でも夜になるとテレビの前に陣取って、静かにソファの上に。その様子を見ているこちらまで心地良さが伝わってきて、いいものは子供でもわかるのね。と微笑ましく思うも、あのぅ・・・、私にも座らせてと思わず言いたくなる・・・
ところで、数日間このソファを使ってみて、“人をダメにするソファ”の意味が、よく分かった。あまりに座り心地がいいので、立ち上がるのがついつい億劫になってしまうのだ。
気がつくと、ソファの周りは手を伸ばせば届く範囲にいろいろな物が散乱。座る前に、きっと使うであろうと予測できるiPhoneにiPad、本や雑誌、テレビのリモコンに飲み物、ブランケット等を予め用意してしまう徹底ぶりだ。ああダメダメ。私、このままじゃあ本当にダメな人になってしまう、と感じている今日この頃だ。是非みなさんにもこのくつろぎソファでリラックスして欲しいものだ。
愛用できる4つのポイント
- 何と言っても座り心地の素晴らしさ。一度座ったが最後、動きたくなくなる気持ちになる、まさに“人をダメにするソファ”。
- 気分や状況に合わせて形が自由自在に変えられる。
- シンプルで飽きのこないデザイン。
- インテリアに合わせて色選びも楽しい。カバーはお家で洗えます。
MUJI Atrium
20 Dundas St. W, Toronto, ON
Tel: 416 591 2233
MUJI Square One
100City Centre Dr., Mississauga, ON
Tel: 905 276 2737