「神様は乗り越えられる壁しか与えない」濱上 真奈さん カナダ歴:通算5年|私のターニングポイント第35回
カナダ歴:通算5年
職業:波レストラン・ゼネラルマネージャー
トロントのダウンタウンにある40年続く老舗日本食レストラン「波」でゼネラルマネージャーを務める真奈さん。日本では営業職やサービス業に関わってきたものの、これまでマネジメント経験はないため日々勉強だと話す。それでも、レストランという職場環境でやはり私は人と関わることが好きだと実感していると笑顔で語る真奈さんのターニングポイントとは。
全国大会常連の強豪陸上部時代に顧問と母にかけてもらった叱咤激励の言葉
今までターニングポイントはいくつかあったと思います。その中でも特に印象に残っているのは二つで、一つ目は中学一年生の夏です。かなり厳しいと有名な、全国大会も常連の京都の私立中高一貫校の陸上部に所属していたのですが、毎日の厳しい練習で入部3ヶ月目には辞めたくなっていました。
そんなある日、その日もかなりの暑い日で、炎天下の下走り込み練習中に、どうしてもしんどくてしんどくてもうあかんと思って顧問に休憩したいと申し出たところ、「真奈、あんたな、私は真奈がまだ限界ちゃうん知ってんで。あんたがそんな根性無しで弱いはずがない。あんたは強い。自分に負けたらあかん。あんたやったらここ乗り越えられる!しっかりしぃ!」と言われたのを覚えています。
その時同時に、実は一年生では私だけを全国大会の補欠メンバーで連れて行こうとしていること、まだ一年生で伸び代もありこの先を期待しているから頑張って欲しいことも伝えられました。精神的にも体力的にもかなりしんどかった瞬間ですが、全国大会に連れて行ってもらえるかも知れない事や期待してもらっている事がとても嬉しかったのと、私の負けん気の強さを引き出してもらえた瞬間だった事を覚えています。
それでも、その日の練習は何とか乗り越えましたが、顧問からかけてもらった言葉や嬉しさよりも、やはりしんどさが勝ってしまい、その日から3日間学校も部活も休んでしまいました。地元の公立中学に通っていた小学校からの友達たちが羨ましくて、休んだ3日間はその友達たちと遊び呆けていました。
母親に部活も私立中学校も辞めたいと伝えたら、「真奈、遊びたいんはわかる。楽な方に行きたいんもわかる。でもなぁ、神様はなぁ、その人に乗り越えられへん壁は与えやーらへんねんで。やしもうちょっとだけ頑張ってみたら?私は真奈が強いんも知ってんで」と言われ、その時心に強い衝撃を受け、同時に顧問からの言葉も思い出し、「よっしゃ頑張ろ!自分に負けてる場合ちゃう!私にできひんことはない!このしんどい壁(部活の継続)も乗り越えてみせる!」と自分を奮い立たせました。
全国大会に出たりはできず心残りである部分がありますが、高校卒業まで陸上を続けることができ、そしてその3日間以外は学校を欠席する事もなく、自分で継続して努力した経験は自分の自信になっています。
あの時にもし母からのその一言がなければ、きっと私は遊び呆けて高校にすら行ってなかったでしょうし、今もカナダにいないと思います。
今も何か辛い事があれば、「これは乗り越えられるし神様が私に与えたはる試練なんや!自分に乗り越えられへん壁はない!」と自分に言い聞かせて頑張っています。
ゼネラルマネージャーに就任
二つ目は現在の仕事の「波レストラン」でゼネラルマネージャーに就任したことです。2017年から2018年の1年間、ワーキングホリデーでトロントに滞在していた際、その時も波レストランでサーバーとして働かせてもらいました。他の国に行ったり日本に滞在していたりとしている間に、ご縁があり当時のGMに声をかけてもらい、2020年の1月にまたトロントに戻ってくる事ができました。しかし2ヶ月後にはコロナが流行し、カナダはすぐにロックダウン、来たばかりでしたが帰ろうかと何度も何度も考えました。でもせっかく就労ビザも出してもらっているし、踏み止まって自分にできる事を頑張ろうと思い、その時にできる事を一生懸命やりました。
ロックダウンもかなり長く、メンタルもやられそうな時もありましたが、そういった時にも、「これは乗り越えられるし神様が私に与えたはる試練なんや!自分に乗り越えられへん壁はない!」と自分に言い聞かして何とか踏ん張りました。
すると次に訪れた転機は、GMにならないかというお誘いでした。波は40年続く老舗の日本食レストランで、トロントにいらっしゃる日本人の方なら一度は耳にされたことがあると思います。そんな立派なお店のGMとなると、マネジメント経験もない中で自信も全くなく、お断りしようかとも思いました。しかし何事も挑戦!そして「私に乗り越えられへんことはないんや!」と思い、2022年の6月に引き受けさせていただきました。
これまで悔しい事も悲しい事も辛い事も沢山ありました。その度に「神様は乗り越えられる壁しか与えない」という言葉を思い出すようにしています。なかなか上手くいかない毎日で葛藤もありますが、挫折とまではいきませんがこれも試練なんだと思います。
人によって挫折とは何かということは異なりますが、私はこれまで特に大きな挫折を経験したことがなく、ありがたい事に本当にラッキー人生で何もかもが上手くいってきました。きっとそれは、母や顧問の言葉で気付かされ、今まで自分に負けずに沢山の壁を乗り越えてきて、ラッキーを自分で引き寄せてきたのでしょう。これからも壁を感じた時は、確実に成長の階段を登っているはずなので、ポジティブに捉えて、頑張って乗り越えていこうと思います!
そしてそれもこれも周りの人たちのお陰です。本当に私は人に恵まれていて、沢山の人が応援してくれているので頑張れます!ありがとうございます!
■ いまの自分に点数をつけるとしたら?
100点
実際はそうじゃないですが(笑)、常に自分を褒めて高めてあげたいので、100点を付けてあげます!
■ 小中高校時代
どの時期を振り返っても、昔から人の中心にいた気がします。今も変わりませんが、明るくて負けず嫌いな女子でした。小学校はマーチングバンドを中心に他にも色んな習い事をしていたり、中高6年間は陸上部、大学でもサークル活動と、勉強よりもサイドの事に一生懸命でした。マーチングも陸上も全国大会常連校でかなり厳しく、そこで根性や忍耐力が鍛えられたと思います。
■ もし人生をやり直せるとしたら、いつ?
やり直したいと思いません!思ったこともない気がします。でももし戻れるとしたら、小学校一年生に戻って勉強をイチからちゃんとしたいです!
■ 人生で大事なもの
愛と感謝!恋愛の意味の愛だけじゃなく、自分を愛するとか人を愛するとか人から愛されるとか。あと、何事にも感謝することも大事だと思います。”ありがとう”って凄いパワーのある言葉で、”愛”って見えない物ですが凄いパワーがあるんですよ。よく、スピリチュアルとか宗教じみてると言われるんですけど、本気でそう思ってます。笑
■ 将来の夢
夢というかやりたいことはたくさんあります。でもまずはカナダの永住権を取得することです。そこから色んなことがもっと自由にできるようになると思うので。
-好きな本: 稲森和夫『成功への情熱』、清水英雄『ありがとうの感動経営』、小林正観『幸せの宇宙構造』
-尊敬する人:両親
-感謝している人と一言メッセージ:家族をはじめ、波のスタッフ、友達、私に関わる全ての人たちに感謝です。私は本当に人に恵まれていると思います。皆さんいつも私を支えてくれてありがとうございます!!!
-カナダの好きなところ:多文化主義