「サラリーマン時代に自分の将来決められた時」加藤 琢也さん カナダ歴:21年|私のターニングポイント第36回
カナダ歴:21年
職業:カルガリーで自動車修理工場「Cardinal Automotive Repair Shop」を経営
カルガリーで自動車修理工場「Cardinal Automotive Repair Shop」を経営している加藤さん。最初ワーホリでカナダに来て、カーディーラーで働こうとしたが、すべて門前払いだったという。その後「Kinjo Sushi&Grill」でワークビザと移民を取ってもらったことで、カナダに来た目的と夢であった自動車修理工場を興し、独立を果たした。ルマン24時間のライブを見てから車好きになった中学生が、なぜカナダに来たのか、どうやって起業を果たしたのか、話を聞いた。
ベンツのトラック整備士として全国で名前を知ってもらえる存在だった会社員時代
自動車の短期大学卒業後、某建設機械を製造販売する会社に新入社員として入社しました。最初は建設機械の修理等を担当していましたが、古びた会社のしきたりやシステム等で上司とウマが合わず退職を考えることもありました。
その時、社内でメルセデス・ベンツ商用車を正規輸入販売・修理という事業(全国の建設機械販売店で行われた)を起ち上げるという事になり、社内で整備士免許取得者の応募が有りましたので、応募して無事合格しました。メルセデス・ベンツということで、その時は喜んでワクワクしましたが、いざ配属されてみると窓際族のような状態でした。
その部署は、最初は4県の範囲を部長・課長一人ずつと営業(私もなぜか営業)含め5人で担当しました。いくつかの支店の方々や他の部署の方々にも煙たがれる存在でしたが、なんとかトラックが売れるようになり、いよいよ私の専門の修理作業が入って来るようになりました。そんなこんなの努力の末専用工場も私の希望通りに出来、ベンツのトラック整備士として全国の建設機械のベンツ部門の中で知ってもらえるようになりました。
人生のレールが引かれたと感じた常務の言葉。退職を決意。
ただ、ここまで頑張ってきて本社の常務に言われた言葉が、「君は将来この会社の整備部長だな」と言われた時、人生のレールが引かれたようで、その瞬間に退職を決意しました。1000人近い会社ではありましたが、もう自分には魅力を感じることができませんでした。
以前からベンツのトラックの修理書がすべて英語で有ったのと、難しい修理の場合本社のドイツ人が来て英語が必須だったのもあり、先ずは海外で英語を勉強しようと決めました。
まーなんとかなるか!の精神
当初初め頃4県で整備士資格を持って作業等に出かけた時は私一人でした。しかも運送業者の運転手さんを相手、いい人もいれば裏業界の人もいるところでした。そんな中24時間無休の電話に夜中に呼び出されるなど、多々ありました。
ある日トラックが夜中に壊れ動けなくなり、夜中に呼び出され現場に直行。お客様に荷物を朝までに届けれなければ、うん百万の損失、信用無くして年数千万の損失をどうするんだと言われた時、本当に辛くて胃カメラ飲むようなことが有りました。
そんな時、ふと、まーなんとかなるか!別に自分の会社じゃないから自分が責任負うこと無いなと思い。そこからとにかく最低な事態になる事を避けることだけ考えて行動したら自然と楽になりしかも周りから的確な判断が出来るなと褒められるようになりました。
これが、どん底から克服した考えの一つかと思います。
ターニングポイントに関してだけではないですが、とにかく若い時に自分の時間を仕事にたくさん使って、色々考えて失敗して勉強したことが役にたったと思います。カナダに来てからはレストラン「Kinjo」で働いた5年間も本当に物凄く勉強になりました。
■ いまの自分に点数をつけるとしたら?
40点
今の自分は40点くらいだと思います。理由は、まだまだ出来るのにやっていないからです。
■ 幼少期~学生時代の自分
小中、平凡な普通の勉強の出来ない子供でした。中学校の時兄とルマン24時間をライブで見てました。その時マツダのロータリーエンジンが最後(規定が変わってこの年が最後の参戦となった年)だったんですが、その時にマツダが優勝をしました。それで物凄く感動し、車が大好きになりました。
それがきっかけで、高校は工業高校の自動車科、そして自動車の短大へ行き、自動車業界まっしぐらでした。高校のときは禁止されてたバイクでツーリングに行ったり、コソッと車を運転したり。短大のときは夜な夜な山に朝方まで行き寝ずに授業を受け危うく単位を落としそうになったりするくらいの車好きでした。
■ もし人生をやり直せるとしたら、いつ?
中学生に戻って一から人生設計をして、それに向かってひたむきに頑張りたいです。
■ 人生で大事なもの
こんな事言うのは恥ずかしいですが、一番大事なのはいろんな意味で愛かなと思います。
■ 今後のプラン
今後のプランは自分の会社を通して、お客様と家族や従業員、それに私に関わるみんなを笑顔に出来るよう努力することです。
-好きな本: 稲盛和夫『生き方』、松下幸之助『事業は人なり』、稲盛和夫『経営12か条』
-尊敬する人:稲盛和夫
-感謝している人と一言メッセージ:私の妻、そしてピーターKinjoさん、妻はそばでいつも支えてくれる大事な存在、いつも有難う。ピーターさんは、Kinjoやめてからでも気にかけて頂いて、色々指導や助言を頂いていて家族共々感謝してます。
-カナダの好きなところ:自然豊かで伸びしろある環境