「役職定年を迎えて」高松 哲生さん カナダ歴:1年5カ月(2024年11月末時点)|私のターニングポイント第39回
カナダ歴:1年5カ月(2024年11月末時点)
大学を卒業し商社に入り、4カ国の駐在も経験してきた高松さん。役職定年を迎え、その制度にまるで余命を宣告されたような大変辛い思いをしたという。自分の人生を考え、第二のキャリア、人生に一歩を踏み出すことを決めた。
今回ターニングポイントで人生を振り返ってもらう。
役職定年。
それはまるで余命を宣告されたような思い。
役職定年は、年齢により役職から外され一般社員になり、給与が減額されるシステムです。日本企業の4割が導入されていると言われています。
台湾、米国、ドイツ、カナダと駐在した私にとって、年齢で、待遇が変わるのは間違いなく、国際的には、差別、違法とも感じられ、まるで余命を宣告されたような大変辛い思いをしました。
大学卒業と同時に商社に入り、主に電子機器の輸出を担当して来ました。代理店が世界中に存在しますので、色々と海外へ訪問しました。出張、プライベートを入れると、36カ国訪問しております。4カ国の駐在も経験しました。合計13年間です。
カナダ・トロントには2023年7月に取引先への出向として赴任しました。今回の役職定年を機に、自分の人生をいろいろと考え、トロントに永住されている大学のOB/OG会の大先輩に人生相談に乗って頂き、第二のキャリア、人生に一歩を踏み出すことを決心しました。
大変残念ですが、長年お世話になった会社を辞め、12月から第二のキャリアとして、欧州に渡りまずはドイツの日本人経営の会社を承継することとなりました。
会社が決めたYES/NO。
残りの人生は自分の意思で。
大学四年生で、就職活動をして商社に入社のは、自分の意志で決定をしました。しかし、台湾から始まる駐在の話は、すべて会社からのオファーであり、場合によっては、会社が周りを固めたYes/Noの判断でした。55歳を目前に、健康人生を考えると、これで本当に良いか、残りの人生は自分の意志で決められないかと考えました。
駐在生活を通して、自分の時間を大切にする欧米人から大きな影響を受けました。
人生の後半に入ると、何事も一期一会であることを強く考えるようになりました。
若い時に読んだ自己啓発本の以下の言葉を実行できるように努力してきました。
「良いと思ったことは続ける」
「人に倍する努力を怠らない」
「自分は運が良いと思う」
「すべてに感謝の気持ちを持つ」
それが、今の自分や家族を形成し、周りの方に恵まれてきたと思っています。
■ いまの自分に点数をつけるとしたら?
80点
何事も一生懸命に取り組んでいる姿勢ですが、時には力を抜いてしまいます。失敗もしています。後悔もします。しかし、「自然体」を意識して、自分に正直に生きているつもりです。食事も腹八分と言いますので、80点です。
■ 学生時代のエピソード
英語は苦手でしたが、メディアの影響を受け、小学校時代からアメリカへの憧れはありました。そして、当時大変流行ったテレビ番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」にエントリーする為に大学生の時にパスポートを作成したのが、海外への出発地点でした。
■ もし人生をやり直せるとしたら、いつ?
人生で失敗をすると、その時点に戻り、やり直したいと思うことはこれまで多々ありました。しかし、それは、自分の歩んだ人生を否定するように感じ、その人生で知り合った人に会えなくなってしまうので、戻りたくないです。
また、後悔は、やらないで後悔するより、やって後悔をしたいタイプですので、前を向いて、さらにやりたいことにチャレンジをし続けたいと思います。
■ 人生で大事なもの
人間は、一人で生きて行けないと強く感じていますので、その中で生きていくためには、相手への思いやりが重要ではないでしょうか。そして、それは、自分が困った時に返ってくるような感じがします。
私は、すべての方の「笑顔」が好きです。中学時代の神父先生から「Keep smiling」との言葉を頂き、実行して来ましたが、今は相手を笑わせる「Make You Smile」を心がけています。笑うことは健康にも良いそうです。
■ 今後のライフプラン
欧州で役職定年のため職を失った各業界の駐在経験者を集め、経験・ネットワークを活用し、経費・人材難で、駐在員を出せない日本の中小企業、スタートアップ企業の駐在員事務所・現地法人的な機能を担う、精鋭集団による海外事業支援サービスをすることです。その基盤作りで、ドイツに移ります。
また、海外を目指す学生さんへの支援活動を継続します。現在は毎月、有志の方と座談会を毎月実施しています。今後は事業の成長に伴い、学生さんのインターン制度を始めたり、事業が成功すれば奨学金財団を設立したいです。
-好きな本: Bill Perkins著『Die with Zero』、守屋実著『起業は意志が10割』、長谷部愛著『天気でよみとく名画』
-尊敬する人:弱い立場の人を理解し、行動する人
-感謝している人と一言メッセージ:家族そして私を支えてくれているすべての人「いつも有難うございます。」
-カナダの好きなところ:人が優しく、比較的安全で、文化施設・イベントが充実しておりガーデニングの民度が高いこと。ゴルフ天国。大自然。特に紅葉、トロントでも観れたオーロラ。