~健康な皮膚が欲しい。その③~|漢方内科医の手当て|王瑞雲の連載コラム

「皮膚科学」も総復習すると、あらためて人類はいつも病気という状態から抜け出そうと戦い続けていることがわかります。その一つの例として「爪水虫」について考えたいと思います。
昔は「爪水虫は治せない。治療薬が出来ればノーベル賞モノだ」と言われましたが、今はそうではありません。私が開業していた昭和48年頃に医学生が読んでいた教科書には「グリセオフルビン内服薬が唯一効果的方法である。微粒子グリセオフルビンを1日0.25~0.5gを分3にして内服する。副作用として薬疹、胃腸障害、頭痛、白血球減少、肝機能障害、光線過敏症の獲得などに注意をする」とあります。でも現在は、グリセオフルビンは発売中止になっています。医学の研究は毎日留まることはないのです。
人の身体も自然環境もどんどん変化して、薬も初めは良かったのに使用数が多くなるにつれてマイナス面がわかってくる。昔からの言い伝えでも、昔は良かったけど今は利用できないという知識もあります。ですので皆様にお勧めしたいのは「退屈で何もすることない」と感じる方は、手あたり次第でもよいですから日本の医療文化を学習することです。一人ずつ身体は違うので自分で出来るなら自分で治せばよいのです。
さて爪水虫についてですが、私の場合、基本の食養生学のアドバイスで病人自身で治療してもらっています。難しくありません。甘い物や油脂を減らし必要以上の栄養を取らない事。それから十分な葉緑素を取り入れるのです。身体の中の新陳代謝を促進し、血行をスムーズにして体内を綺麗にしておくことがウイルス、真菌、細菌を寄せ付けないのです。ビタミン、酵素、ミネラルのバランスが取れた食事が良いのです。
手当てとしては毎日爪水虫が出来ている手や足を自然酢の原液、または自家製のアロエ酢に漬け込むだけです。必要な時には鍼灸や漢方薬服用の場合もありましたが、副反応、副作用がある薬品に頼る必要はなかったのです。
爪水虫含め皮膚疾患にはヨクイニンエキス製剤もよく使いました。これはハトムギの事ですが食べ物としても売られており日本だけでなく中国台湾でも使います。これは皮膚の色素沈着を取り除き「皮膚の漂白剤」とも言われますが、皮膚を滑らかにする、傷つきにくくするなどの作用もあるので、私は腫瘍疾患の人には必ず飲んでもらっていました。
ヨクイニンと併用すると良い物や、他の皮膚疾患でよく使う草木などは次回にします。

王瑞雲(オウ ズイウン)
漢方内科医1940年神戸生まれ。小中校の成績は中の下。数学が苦手。日本医師国家試験を最年少で合格。東京大学付属小児科医局員研究生を経て東京都国立市に開業。聴診器一本に漢方と食養をメインとした診察スタイルで60年以上の診療経験。新聞コラム連載、著書多数。現在トロント在住。 Blog: https://ohzuiun.com/






