楓の森の歩き方 第25歩
楓の木々の上部からだんだんと色づきはじめ、秋の彩りにかわりつつありますね。
秋は、植物や様々な生物が変化し、普段では気付かない動植物たちの不思議にたくさん出会える季節です。アメリカ大陸を縦断し移動する蝶、モナークバタフライ(オオカバマダラ)をご存知ですか?オレンジと黒の色鮮やかなコントラストのモナークバタフライをアルゴンキンパークでは7月の初めから見ることができます。産卵のためにオオトウワタ(Milkweed)の葉に卵を産み落として行くためです。
モナークバタフライの幼虫は、トウワタのある沼地や公園の道端などでよく見られます。幼虫は、トウワタの葉から出る白い乳液を食べて育ちます。この乳液には強い毒性が含まれていて、幼虫の体やサナギになる過程でその毒素が外敵から身を守る手段となっているのです。秋に入る直前、日が短くなる頃にモナークバタフライは南方のメキシコへと渡り蝶となって飛んでいきます。来たるべき長い旅に向けて準備をしているモナークバタフライを、秋の葉が色づきはじめる頃によく見ることができます。
トレイルやセイタカアワダチソウの葉陰で、北東の風を待つモナークバタフライを探してみてください。また、秋のアルゴンキンパークはキノコの王国と言われるほど、トレイルを歩く時など、様々な場所でベニテングダケやベアーズヘッド、猿の腰掛などのキノコが観察できます。
キノコは養分の取り方もまた特殊です。木の根を菌糸が包んで「菌根」と呼ばれる共同体を作り、そこから菌糸を伸ばして木の根から養分を吸収します。キノコは木に1方的に寄生しているのではなく、木の方にも病害の防止などのメリットがあり、いわば共生関係にあると言えます。木と関係なく生える種類では、土の中の落ち葉や動物の死骸などが腐りかけたもの、それらが腐ってできた有機物から養分を吸収しています。
公園内では千種類以上ものキノコが存在します。もし不思議な形や奇妙な色のキノコなどを見つけたら、写真を撮ってキノコ図鑑などで調べて、学ぶのも楽しいですね。森の中から見上げれば、秋の高い空に燃えるように輝く紅葉を楽しむことができます。足元のキノコのことについても、考えてみるのも楽しいかもしれません。静かな森の中に、キッキッキーッと、かん高い鳥の鳴き声のような声が聞こえてきたら、近くでアカリスが冬の準備をしているかもしれませんよ!
OOAでは、今年も紅葉の森をご案内するツアーを各種用意しています。アルゴンキンパークへの日帰りツアーから、キラニー州立公園のバックパッキングツアーまで。詳しくは、弊社Webサイトをご覧ください。
息をするのも忘れるような真っ赤に染まる紅葉の森の散策、足元や木々の枝葉にも注意を配って、心踊る秋のハイキングを楽しみましょう!
OOAの紅葉ツアー★詳しくはWebへ
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Holly Blefgen(ホリー・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。