楓の森の歩き方　第28歩

第28歩　白銀世界の注意書き

今年の冬は歴史的な暖冬ですね。この記事を書いている今週（1月の中旬）やっとまとまった雪が降りました。2月に入れば、トロントより北部の湖たちは全面結氷しスキー場の雪質も安定してくると思うのですが、このような例年になく不安定なシーズンは特に安全面に注意が必要です。今月は暖冬だからこそのカナダの冬の注意書きを、記しておきたいと思います。

日本から来られた方々は、池や湖に張った氷の上でのホッケーやアイススケート、氷に穴を開けてのアイスフッシングに興じている光景に驚かれることと思います。カナダの冬をより楽しむために、万全の準備をして暖かな服装で白銀のフィールドへでかけてみませんか？

まずは服装。風を通さないジャケットの下にフリースやウール素材の服を重ね着してください。暑くなれば脱ぎ、寒くなればまた着ることで快適な熱を逃がさないようにコントロールすることが可能です。吹雪やブリザード、雪や氷の反射から目を保護するサングラスやゴーグルを付けることも重要です。紫外線から皮膚を守るために日焼け止めクリームを使用すると、凍傷や風焼けから保護することにも役立ちます。

湖の氷の形成は、地形、水質、風向き、時期など環境によって変化します。氷の強度は氷の色が1つの判断基準ですが、それは雪が表層をカバーしていない時だけに判断できることです。通常、きれいな青い氷は最も強く、白い不透明または湿った雪が乗った氷は青い氷の半分ほどの強度です。灰色の氷は危険な状況を意味しているので決して近寄らないようにしましょう。

カナダ赤十字による氷の厚さのガイドラインは、
厚さ15㎝：散歩やスケート、アイスフィッシングが可能です。
厚さ20㎝：グループでのスケートやホッケー等の遊び
厚さ25㎝：スノーモービルや大型ソリ
氷の厚さが30㎝を超えると車や中型のトラックが氷上に乗り入れることが可能なので走っていますが、氷上での活動に慣れた方が自己責任で行っていることなので、お薦めしません。

さぁ、準備を整えて暖かい服装で白銀のフィールドへ。美しく凍りついた氷上をスノーモービルや雪上車が走る光景はまさに別世界！一生の思い出に残る、一見の価値のある光景が広がっています!!

Holly Blefgen(ホリー・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。