となりのシロフクロウ|オンタリオ州・アウトドアの魅力。楓の森の歩き方 第57歩
野鳥の好きな人たちにとっては、冬も大切な季節の一つです。というのも、北極圏の食糧不足や気候変動の影響で、ここオンタリオへ越冬のために南下してくる鳥たちがいるからです。そして、雪に覆われ、樹木に葉がなく見通しの良いこの季節は、バードウォッチングにも最適です。特に綺麗に青空が広がっている日には、比較的容易に鳥たちを見つけることが出来、そこには美しい光景が広がっていて最良の日となります。
先日、ハイウェイを北へ向かって走行中、道の両側が牧場などの多いエリアで、前の車の前に突然大きな白い影が横切りました。その大きな白い影は右側の牧草地の方からスーッと飛んできて、低空で走っている車の前をかすめ、ハイウェイの真ん中の広い中央分離帯エリアの野原へ急降下しました。一瞬のことで、前の車のドライバーはさぞかし驚いたことと思いますが、それは、シロフクロウが獲物を見つけて中央分離帯の野原へ急降下するところだったのです!!
厳冬期のこの時期、餌を求めてシロフクロウ(Snow Owl)も越冬のために南オンタリオへ南下してきます。特に今年は、その数が急増したと報告されています。
シロフクロウは、フクロウの中でも最も大きく、雪や氷の隆起した場所にとまり、アヒル、カイツブリ、カモメなどの小型の鳥を狙っています。
あるいは牧草地や農場の見通しの良い広い場所で、フェンスなどの支柱や電柱の上からウサギ、ネズミ、ハタネズミなどを探し、狙っています。
白色の羽毛が顔や足、クチバシまでほぼ全てを覆っており、オスは見事に真っ白、メスは羽や体に黒茶色の縞模様の羽が生え、顔だけはどちらも真っ白で、メスは一般的にオスより大きいのが特徴です。
目は深い黄色で非常に大きく、動かすことは出来ませんが、14本からなる複雑な骨の構造により頭を270度回転させることができますので、頭をくるくると回転させながら周囲の獲物や状況を常に監視しています。
まぶたの構造も特徴的で、前に突き出た眼窩が雪や氷に反射する太陽のまぶしさから眼を守っています。
とても大きな鳥ですが、音もなく優雅に空を飛び、厳しい自然の中を生きています。力強く、威厳があり、私たちにとっては北米のシンボルとも言える存在です。
トロントエリアでも空港や農場、人影の少ない見通しの良い広い場所で、電柱や支柱の上にちょこんと陣取って、ジッと獲物を探しています。
車に乗っている時、助手席などから眼を凝らして電柱やフェンスの支柱の上などの高いところを探してみてください。車窓からの真っ白な冬の光景も、とても美しい季節です。
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Holly Blefgen(ホリー・ブレフゲン)
オンタリオ・アウトドアアドベンチャーズの代表。ナチュラリスト。春から秋にかけてカヌーととトレッキング、冬はテレマークスキーでネイチャーフィールド へ。30年余りに及ぶガイド経験を持ち、オンタリオ州及び日本における文化・歴史・自然にフォーカスしたツアーを通して、クライアントとその情熱を共有す ることを愉しみにしている。
Special Thanks, Cameron T Powell 写真 / アートワーク / レイアウト:尾西知樹 翻訳:瀧川貴子