目標設定の重要性|カナダのしがないラーメン屋のアタマの中 第66回
新年あけましておめでとうございます
今年も仕事はもちろん、趣味のスケボー、剣道、それから音楽や読書、映画に触れる時間をちゃんと割いて、遊ぶように働き、働くように遊びたいと思います。家族や友人と過ごす時間を大切にし、大きなケガや病気をせずに、健康に一年を過ごせれば、それが何よりの幸せですので、特に具体的な目標は決めずに、ゆるーく生きられれば幸いです。
読者のみなさんの中には、より具体的な今年の抱負や、達成したい目標を掲げられる方もいらっしゃるかと思います。そこで今回は、目標設定について書いてみたいと思います。
剣道と目標設定
ちょうど1年ほど前に始めた剣道ですが、昨年11月にトーナメントに出る機会がありました。アラフォーにして始めた剣道ですので、同世代の経験者はもちろん、ジュニアメンバーにも歯が立たないという状況で、試合の二週間前は、せめて一本だけでも取れればそれで十分、と高をくくっていました。しかし、試合形式の稽古をするだけで極度の緊張に見舞われ、試合どころではないと焦りも感じていました。無段者と初段のカテゴリーでのトーナメントだったので、経験の浅い初心者の出場者も多かったと思いますが、それでも大学生や若者を相手にまともに戦えるだろうか、そんな気持ちを胸に悶々としていました。
このままではいけないと思い、まず初めに見直したのが、目標設定でした。ビギナーと言えど、なるべく休まず練習に参加し、まじめに稽古を重ねてきたわけですから、勝った方が100倍楽しいですし、人生初の試合が白星か黒星かというのは一生結果として残るわけです。そういうわけで、「せめて一本」という目標を「初戦は必ず勝つ。できれば2勝、欲を言えば3勝」と大きく目標のレベルを上げました。
積極的に勝ちをもぎ取りに行く、というスタンスに変えると、試合に対する姿勢や発言も変わってきます。
クラブのメンバー内で、「緊張している?」、「準備は整っている?」というようなやり取りに対して、「リラックスしていて良い状態だよ」、「準備は万全、勝ちにいくよ」と、意識的に強気な発言をして気持ちを作っていきました。試合の一週間前にはすでに戦闘モードに入っていたので、試合当日は、同じレベルの相手なら勝てる、格上の相手でも五分五分で戦える、絶対に初戦は突破、戦いは二戦目以降、と気持ちは出来上がっていました。
試合前はいつものように目をつぶって黙想し、いつものように素振りをし、気持ちは高ぶっているけどリラックスした状態で、試合前から相手の選手をよく観察し、少しでも相手に緊張した様子が見られれば試合はもうこちらのペースです。
さて、気になる結果はというと、初戦は白星、二回戦も突破し、三回戦で延長までもつれ込んだものの、大学生を相手に完全に体力切れで集中も途切れてしまい、綺麗に相手の面が入り、惜しくも3回戦突破はかなわず、という結果でした。
目標を大きく持つことで、小さな目標や結果が通過点となるという事は、目標の達成という事から逆算すると、戦略として非常に効果的だと言えると思います。
例えば、ラーメン屋として独立することを目標において、独立できたとしても、そこで満足してしまうというケースはままあります。ラーメン屋として世界で店舗展開することを目標にしてこそ、独立は手段であり、あくまで通過点になります。言葉にしてしまえばいたって凡庸ですが、目標を持つなら大きく、という話でした。