トロント発のこだわりのラーメン店「RYUS Noodle Bar」がニューヨークに出店!オーナーシェフ高橋隆一郎さんに聞く|食の編集部が行く
ーニューヨーク出店の経緯を教えてください。
2015年にアメリカに本社のあるサンヌードルの副社長であるKenshiro Ukiさんがトロントの市場調査などに来られていた際に偶然弊社のBaldwin店で食事をされ、そのラーメンを気に入っていただいたことが最初の出会いであり、ラーメンラボ出店へのきっかけです。
ラーメン屋における麺というものはおいそれと変えることが出来ない商材です。RYUSの麺も何度も試行錯誤を製麺メーカーさんと繰り返し辿りついたものですので、異なるメーカーさんとのお付き合いは考えておりませんでした。
Ukiさんから麺を切り替えてくれと言うわけではなく、是非一緒に何かをやりませんかというスタンスで熱意あるお言葉を頂いたことが出店へ踏み切った経緯です。
ー高橋さんにとってニューヨークは一つの目標でもあったと伺いました。
海外で飲食店を営むものならば、一度は将来のプランに入れたいのがニューヨークへの出店だと思います。私自身も開業当初から将来チャレンジしてみたいという気持ちはありました。
出店をすることが決まってから、今年は4回ほどニューヨークへ行っているのですが昨年日本に出店したのとはまた別の良い緊張感共に久しぶりにワクワクしています!
ーニューヨークのラーメン事情をどのように分析されていますか?
あくまで私が考えるものですが、古くは1975年のサッポロさん出店から始まり、2003年に今はトロントにも支店を構えるMomofukuさんがきっかけでラーメンブームが始まったのではないかと思っております。そしてラーメンが大きなムーブメントを引き起こしたのは2008年の一風堂さんがイーストビレッジへ出店した事でしょう。
この出店前と出店後でラーメンのトレンドが大きく変わったのではないかと感じています。
一方でポジティブな話だけでなく、私が美味しいと感じていた人気店が閉店するなど、やはり家賃の高騰などによる移転・閉店を余儀なくされている部分にも目を背けてはいけない事実だと思います。これはトロントやバンクーバーにも言えることですね。
味に関しては、まだまだスタンダードはトンコツですが、最近は「ラーメン石田」さんや「Nakamura」さん、私が出店しているラーメン博物館にも出店していた「Yujiラーメン」さんなど透明な清湯系のラーメンやつけ麺などの波も徐々に来ているのでないかと感じています。
ーRYUSラーメンが受け入れられる自信は?
正直受け入れられるかどうかはわかりません。今回のニューヨーク出店のために寄せて作るということをするつもりもありません。あくまでトロント発のラーメン店として日本人が食べても、現地の方が食べても美味しいラーメンだというこだわりを持って、自信を持って提供してきたいと思います。
ー横浜ラーメン博物館の経験も踏まえ、カナダ発という注目度はいかがですか?
残念ですが、カナダ発というキーワードはまだまだ弱いんですよね。正直それは織り込み済みです。ですが、今の時代は〝情報〟を食べていると言われています。どれだけの美味しい情報を事前に伝えられるか、感じさせられるかがポイントだと考えています。
そして驚きを与えること、様々な方面からのブランディングをしていくこと、例を挙げると賛否両論ありますが、ミシュランなどの世界的に権威があるとされているガイドブックからトロントのレストランも評価を受けることも我々トロントでお店を構えるものとして自分たちの表現を世に出すため、人々の脳が感じる相対的味覚を高めるためには重要だと考えています。
ー今回は1ヶ月間のポップアップ店だそうですが、この経験を次にどのように活かしていきたいですか?
まずは、ここでのフィードバックがどのようなものになるのかが大事なのですが、高評価を受けたと仮定をした場合、ここでの経験はRYUSをブランディングしていく大きな推進力と成り得ると考えています。
資本力のない私がどうすれば大きな資本相手に勝つことが出来るのか?私はお客様が受けるRYUSのイメージを=普通ではない、他店とは違うアプローチ、面白い、新しい、そして美味しいと理解し、感覚的にRYUSと言う音が大きくポジティブに感じてくれることが最も大事なことだと思っています。
ー先日クイーン&バサースト店がオープンしたばかりです。だいぶ気温も下がりラーメンが恋しい季節になりました。日本人の方々にメッセージをください。
ようやくRYUSをダウンタウンに再オープンすることができました!今回クイーン店のオリジナルメニューとして新しく〝つけ麺〟を大幅に改良しました。
ラーメン博物館への出店をしている経験を活かし、日本の今を踏まえながら自家製の八方出汁とRYUSの鶏白湯をベースに更に濃厚で魚介を加えてトータル10時間以上掛けて作っています。
自家製の鶏油の風味と全粒粉入りの太麺がこのスープと最高に合うと思います。麺の大盛りも無料にしています!日本でつけ麺が好きな方に特に食べてもらいたいです。お待ちしてます!
全粒粉入りの太麺 大盛り無料!
・Broadview location: 786 Broadview Ave / Tel: 647-344 9306
・Queen St W location: 669 Queen St W / Tel: 416-364-7777
(Temporary close: 33 Baldwin St)
●Japan 新横浜ラーメン博物館店
〒222-0033 神奈川県横浜市新横浜2-14-21
新横浜ラーメン博物館 館内 / Tel:045-471-0899