桜の植樹式を開催
神奈川県相模原市とトロント市の姉妹都市関係が来年で
25周年を迎えることを記念し桜の植樹式を開催
7月6日 スカボロー地区 Birkdale Park
7月6日、スカボロー地区にあるBirkdale Park にて桜の植樹式が行われた。神奈川県相模原市とトロント市の姉妹都市関係が来年で25周年になることを記念するもので、今年20本、来年25本の桜が植えられる予定。午前中に行われた式典では市経済開発委員長として双方の交流に関わってきたMichael Thompson市議が司会を務めた。日本からは相模原市の小池裕昭副市長、阿部善博市議会議長、杉岡芳樹商工会議所会頭を初めとする訪問団が参加し、トロントからは中山泰則総領事夫妻、松本ジェームズ真一郎さん、瀬戸山久子さん、地元市議、市経済開発局や公園管理課、自治会関係者に加えて近隣住民も参加し、和やかな雰囲気の中、関係者の挨拶に続いて植樹と記念碑のテープカットが行われた。Thompson市議は多くの関係者の協力に感謝するとともに、植えられた桜がこれからも発展していく両都市の関係を象徴していくことを期待していると述べた。小池副市長からはスピーチとともに相模原市長からトロント市長への親書が手渡され、阿部市議会長は過去の双方の訪問団の交流について話した。中山総領事は10年間で3000本の桜の苗木をオンタリオ州で植える目標で2000年に始められ、既に目標を達成している桜プロジェクトについて触れ、日本の美を象徴する桜がこれからも両国の親善と相互理解に役立ってほしいと述べた。地元自治会長は静かな地元の公園が桜の植樹先に選ばれて光栄だ、また、両都市から地元コミュニティへの投資に感謝の意を表した。
式典の後は日系文化会館に場所を移してレセプションが行われ、 JCCCのジェームス・ヘロン館長が司会となり、ゲーリー川口JCCC理事長の挨拶、関係者から植樹に至る経緯が紹介された後、トロント市長から相模原市長への感謝状と楓の大木を利用した記念品が相模原市関係者へ手渡された。参加者は引き続いて桜にちなんだ日本舞踊観賞後、祝杯を上げて立食及び自由懇談を行った。
2つの都市の交流は旧スカボロー市のFrank Faubert元市長(故人)が姉妹都市締結先を探していた際に元トロント日本商工会事務局長の山守元造氏の協力を得て1991年から始まった。1998年のトロント市への合併時に関係解消の話が出たものの、トロント市に引き継がれ、経済・教育・文化などの分野での交流が進められる。今回の桜の植樹はジェームズ松本夫妻が2年前に相模原市の友人に案内されて訪れた地元の桜祭りから構想を得たもので、2都市が姉妹都市関係にあったこと、更に日本領事館が2000年から進めている桜の植樹プロジェクトの支援を受けて実現した。桜の木の費用は相模原市とトロント市が半分ずつ負担したが、トロント市民の税金からではなく、地元の基金から賄われている。
プロジェクト推進に携わった関係者への感謝をスピーチで述べた松本氏に続き、瀬戸山氏は自宅もスカボローにあり、この公園が東のハイパークとなり、市民から親しまれる場所になれば嬉しい、これからも友好都市親善アドバイザーとして活動を続けていくと述べた。 Ellesmere RdとBrimley Rd近く、南北に広がる遊歩道の北端に位置する公園は、当日は太陽の照りつける時間帯のせいかひっそりしていたが、植樹の行われたエリアには集まった近くの人たちが写真撮影などを楽しみながら式典を静かに見守った。その中の1人で、ドイツから移住して以来、同地域に40年住んでいるHanneさんは次のように話す。公園にはよく来るので、桜の木が加わってまた楽しみが増える。桜の美しさは数年前にハイパークで初めて知り、以来何度も足を運んでいるが、今回地元の公園が植樹先に選ばれたことを誇らしく思っている。桜がコミュニティ内外の人を公園に運んでくれるよう願っている。植えられた桜の苗木がカナダの新しい土地にしっかり根ざし、来春に花を咲かせてくれることを地元の人たちと一緒に楽しみにしている。