晴天霹靂のトラブルを乗り越えて #01
salon bespoke オーナーHiroの「晴天霹靂のトラブルを乗り越えて…」
2011年5月にYonge St×Yorkville Aveにオープンし、2014年8月にはYorkvilleエリアの中心Big Rock真向かいのCumberlandに移転したsalonbespoke。オープンして3年の間に移転を余儀なくされたトラブルに見舞われたオーナーのHiroさんのお話を聞き、このカナダでビジネスをしている方、起業を心がけている方のために、少しでも同じようなトラブルや被害を減らすため、Hiroさんのご協力のもと、実際の起きたトラブルの詳細を連載していきます。
第1回「オープンして最初のX’mas時期に暗雲立ちこめる」
TONI&GUYでクリエイティブディレクターとして働いていたHiroさんが、それぞれバックグラウンドの異なるカナダ人の同僚3人と共に共同経営としてサロンをオープンしたのが2011年5月。多くの顧客がTONI&GUYの時から変わらずに訪れ、口コミなどによる新規客も獲得し、順調そうに見えたオープン当初。salon bespokeに静かに暗雲が立ち込めはじめたのは同年12月のことだ。ヘアサロンにとって1年間のうちで最も忙しいクリスマス前の時期に当時のビルのオーナー夫婦が突如現れる。建物を売却する旨の書類をHiroさんたちに突きつけ答えを急かしたのだ。
「彼女達も以前、ヘアサロンを経営していたので、クリスマス前あの時期が一年で最も忙しいことは知っているはずです。ですが、彼女達はわざとあの時期を選び、私たちオーナー4人で集まって話し合いする時間を与えたくなかったのでしょうか。また時期的に弁護士事務所もホリデーで閉まるころでした」
確認した売却を承認する旨の書類には目立って変な記載もなく、弁護士も新旧オーナーの一連のやり取りを見抜けぬままサインすることになった。
ホリデーが明け、翌年1月になっても新オーナーが挨拶に来る気配はなく、連絡先入手に奔走する。2月になっても現れない新オーナーに不信感を覚えつつも、前オーナー、トロント市などあらゆる手段を使って新オーナーの情報を得ようと尽力した。
「前オーナーは電話に出ないか、電話に出ても大きな会社がビルを所有しているから心配するなと、1点張りで何も教えようとはしてくれませんでした。私たちは家賃を払う相手もわからず、もし雪などで電気が止まるなどの緊急時に連絡する相手もわからず、不安に満ちた毎日でした。」
しかしHiroさん達が日々奔走するも、状況は変わらず時間だけが経ち、オーナーが代わってから4ヵ月という長い月日が不安な気持ちとともに経過していくのである。(続く)
Hiro さん
名古屋出身。日本国内のサロン数店舗を経て渡加。若い頃から憧れた、NYのサロンや Vidal Sassoon からの誘いを断り、世界中に展開するサロン TONI&GUY(トロント店)へ就職。1年目から著名人の担当や撮影等も経験し、一躍トップスタイリストへ。その後、日本帰国や中米滞在を経て、再び、トロントのTONI&GUYへ復帰。クリエイティブディレクターとして活躍し、北米Top10も受賞。2011年に salon bespoke をオープン。2014年8月にはYorkvilleエリアの中心地に移転した。
salon bespoke
Tel: 647-346-8468 / 130 Cumberland.St 2nd floor / salonbespoke.ca