トロント市内の交通網計画|そこが知りたい!不動産のプロが教える賢いカナダライフ【第78回】
今回は、トロント市での電車の交通網計画についてお話したいと思います。
トロント市内では主にTTC(Toronto Transit Commission)による地下鉄、バス、ストリートカーが運営されています。寒い日や雪の日があるトロントの冬を考えますと、天候に左右されない地下鉄は最も利便性がよく、賃貸物件もTTC地下鉄から徒歩10分以内のコンドミニアムなどが人気といえます。
現在のTTCの地下鉄のマップは写真1の通りです。4つのラインが走っています。
LINE2(緑) : Bloor-Danforth Line
LINE3(青) : Scarborough Line
LINE4(紫) : Sheppard Line
現在10年近くかけてLINE5(オレンジ)としてエグリントン駅を横断する「Eglinton Line」を建設中です(写真2)。
新しい電車のルートとして、今後はMetrolixによる次の路線が計画・検討されています。
●Yonge North Subway
Extension to Richond Hill
Finche駅から北のRichmond Hillに延長する約8㎞の路線。8㎞の内6.3㎞の区間がトンネル利用。完成したらGOトレインの駅とも繋がる予定(写真3)。
この計画のスケジュールと現況は次の通りです。
●Scaborough SubwayExtension
Kennedy駅から北のMcCowan RdとSheppard Aveに延長する7.8㎞の路線。トンネル利用(写真4)。
この計画のスケジュールと現況は次の通りです。
●Ontaio Line
トロント市東部のOntario Science Centreからトロントダウンタウン西部のExhibitio/Ontario Placeまで結んだ15.6㎞の路線。15駅を新設予定。半分はトンネル、残りは高架を利用する予定で、GOトレイン、TTC地下鉄(LINE1とLINE2、将来的にLINE5)、その他バスルートに繋がる予定(写真5)。
●Eglinton West Extension
エグリントンラインの西端のMount DennisからRenforth Driveまでを結ぶ9.2㎞の路線。トンネルと高架を利用(写真6)。
●Sheppard East Extension
現在のシェパードライン(LINE4)の東端から延長を検討している路線。路線未確定(写真7)。
●Finch West Light Rait Transit(LRT)
現在のLINE1のFinch West駅から東部のKeele St、Highway 27を結ぶ10.3㎞の路線。18駅が新設予定。最終駅はハンバーカレッジ(写真8)。
●Hamilton Light Rail Transit(LRT)
ハミルトンのMainSt、King St、Queenston Rdに沿った14㎞の路線。最終的はMcMaster大学(写真9)。
全ての路線が完成したらトロントの電車によるアクセスは格段に良くなることが予想され期待が高まります!
交通網計画は不動産開発に直結し、売買においても賃貸においても大事な要件となります。例としてエグリントンラインの発表がされた後、特にこの5年の間にエグリントン駅周辺では新しいコンドミニアムが次々と建設されたり完成しています。今後のトロントでの不動産投資をご検討の際にはご参考ください。
※不動産売買・賃貸、商業物件、新規進出、物件管理、コンサルティングなどお気軽にご相談ください。