第18回 Portfolio Visualizerでカナダ株の過去のパフォーマンスを簡単にチェックする方法|みらいのカナダ株式投資大作戦
今回は誰でも簡単にカナダ株の過去のパフォーマンスをチェックする方法(いわゆるバックテストの手順)を紹介します。
過去、ある銘柄に投資した時、「どのくらい儲かったのか」や「下落相場でどのくらい損をしたのか」って重要な情報です。もちろん将来も同じとは限りませんが、銘柄の特徴をつかむのに役立ちます。
そこで今回は、そのような特徴を調べるためのバックテストの手順を紹介します。もし、カナダ株や米国株で大きく利益を上げたい、複数の銘柄を組み合わせて運用したいなどと思ったら、今回の記事をぜひ参考にしてみてくださいね。
Portfolio Visualizerを使ってみよう
さて、あなたは「Portfolio Visualizer(ポートフォリオビジュアライザー)」を使った経験はありますか?このツールは米国株のバックテストツールとして、日本の米国株投資家にもよく利用されています。
この「Portfolio Visualizer」を使うと、米国株と同じようにカナダ株のバックテストもできるんです。
最初に米国株をバックテストする方法を紹介します。手順は簡単です(Portfolio Visualizerはパソコンで使うとより見やすいです)。
グーグルで「Portfolio Visualizer」と検索してください
Done!
では、カナダ株のテストの方法も紹介します。
例えば、大麻産業大手のCanopy Growthはカナダ市場と米国市場の両方で上場しています。この時、米国株としてのパフォーマンスを見るならAssetの部分に「CGC(米国市場でのティッカー)」を入力します。一方、カナダ株としてのパフォーマンスを見るなら、「WEED.TO(カナダ市場のティッカー.TO)」と入力します。
ETFの例を挙げると、iShares Canadian Select Dividend Index ETFはカナダ市場だけに上場する銘柄。この銘柄をバックテストする時には、Assetの部分に「XDV.TO」と入力します。
こんな感じで、「カナダ市場のティッカー.TO」を入力することで、カナダ株も簡単にバックテストできるんです。
なお、この方法で米国株とカナダ株の比較もできますが、 為替の差が補正されていない点に注意してください。米国株は米ドルで、カナダ株はカナダドルでの運用成績が表示されています。
こういうところをチェックしてみよう
さて、バックテストした際に、どんな部分に注目すべきか。「Portfolio Analysis Results」の画面(「Analyzed Portfolio」のボタンを押した後に表示される画面)で個人的によく見る3つの項目を紹介します。
まず「CAGR(Compound Annual Growth Rate)」
これがみんな大好き運用利回りです。将来も同じ利回りで回るとは限らない点に注意します。
次に「Stdev(標準偏差)」
これは毎月の株価のリターンのブレです。この数値が大きいほど、その銘柄は「ハイリスク」な特徴を持ちます。例えば、みんな大好きバンガードのVOO(S&P500に連動する米国のETF)のStdevは14.47%(2021年12月時点)ですが、先ほど例に挙げたCanopy Growth(WEED.TO)のStdevは84.89%にもなります。
3つ目は「Max. Drawdown(最大下落率)」
最も大きな下落相場で資産をどのくらい減らしたかを数値化したものです。例えば、VOOは-19.58%なので、資産の約2割を一時的に減らした計算。WEED.TOに至っては-79.73%と、資産の8割を失ったことを示します。
この3つの項目を見ると、利回りの高い銘柄、利回りもStdevも低い銘柄、利回りは低いのにStdevはやたら高い銘柄など、いろいろな特徴が見えてきます。
個人的には複数の銘柄を組み合わせた時の、このあたりの数値がどう変わるかをよく見ています。複数の銘柄をうまく組み合わせることで、下落に強いポートフォリオ、積極的にリターンを狙うポートフォリオなど、自分なりの配分を決められるためです。
まとめ
今回は簡単にカナダ株の過去のパフォーマンスをチェックする方法と称して、「Portfolio Visualizer」の簡単な使い方を紹介しました。カナダ株以外にも、米国株に投資する時にもぜひ使ってみてくださいね。