第35回 どの金融商品で資産形成したらよいかなと思ったら|みらいのカナダ株式投資大作戦
今回は「どの金融商品で資産形成したら良いかなと思ったら」と題し、特に商品選びの観点から筆者が大切に思う事柄をいくつか紹介しますね。
少なくとも、日本において、個人が資産形成の方法を学ぶ機会は少ないと思います。最近でこそ、企業主体のセミナーなどはたくさん行われていますが、まあ、参加しにくさもありますよね。カナダではどうでしょうか?
そんな状況からでも資産形成を進めるために、3つのポイントを紹介します。この記事に挙げる内容が万人の最適解とは限りませんが、あなたならきっとうまく活用できるはずです。それでは一緒に見ていきましょう!
個別の株・個別の債券よりもETFや投資信託を選ぼう
「さて、投資を始めよう。でも、どんな金融商品を買えばいいんのだろ?」と思ったら、ETF(Exchange Traded Funds)や投資信託(Mutual Funds)が便利です。
ETFも投資信託も、複数の株式や債券に投資し、ポートフォリオを作っている金融商品です。
例えばXIU(iShares S&P/TSX 60 Index ETF)は、カナダ市場に上場する60の大企業に投資するETF。もしあなたがXIUに投資すると、あなたのお金はXIUを通じてこの60の企業に分散投資できます。
ETFや投資信託を選ぶ理由は、1つの株式、1つの債券から将来うまく利益を得られるか予想するのが難しいためです。
例えば、2020年の巣ごもり期にはShopifyやBallard Powerの株式が大きく値上がりしました。当時は「オンラインの生活様式が当たり前になり、エコな社会が訪れる」なんて持てはやされましたが、2023年になって振り返ってみると、両社の株価もコロナ前の水準にもどってしまいました。
このような銘柄で資産形成を始めてしまうと…、それは悲劇ですよね。そこで、ETFや投資信託の出番です。
繰り返すように、一般的なETFや投資信託は、複数の株式や債券に投資し、ポートフォリオを作っています。仮に1つの銘柄が値上がりしなくても、ポートフォリオの銘柄が全体的に値上がりしていれば儲かるのです。
これがよく言われる合言葉です。
広く分散投資されているETFや投資信託を選ぼう
ETFや投資信託のうち、広く分散投資されている商品は特に資産形成に向いています。
例えば、VEQT(Vanguard All-Equity ETF Portfolio)は、カナダ、アメリカ、北米以外の先進国株式(日本株やヨーロッパ株など)、新興国株式(中国株など)に投資しているETFです。このETFに投資するだけで、世界中の企業に広く分散投資できるのです。これってすごくないですか?
ETFや投資信託にもさまざまな商品があり、例えば特定の業種、特定のテーマの企業だけに投資する商品もあります。しかし、こういった商品の運用成績は市場の話題に左右されやすく、難易度が高めです。
そこで、広く分散投資されているETFや投資信託を選びます。
これも「すべての卵を1つのカゴに盛らない」ですよね。
手数料の安いETFや投資信託を選ぼう
さて、ETFや投資信託を選ぶ時に気を付けてほしい点が手数料(Management Expense Ratioなどとして示されます)。
ETFも投資信託も、運用期間中に発生する手数料はあなたの投資したお金から差し引かれています。
例えば、Management Expense Ratioが1%の投資信託は、1年間で投資信託の純資産の1%を手数料として支払います。言い換えると、この投資信託は平均で年1%以上の成績が出なければ、投資したお金は増えません。
投資家が唯一投資の成績を改善する方法が、手数料の安いETFや投資信託を選ぶこと。手数料はぜひこだわってください。
ちなみに前述のXIUは0.18%、VEQTは0.24%ですから、比較的低い水準です。
まとめ
というわけで、今回は3つのポイントを紹介しました
- 複数の株や債券でポートフォリオが組まれているETFや投資信託を選ぶ
- ETFや投資信託の中でも、比較的分散されているものを選ぶ
- 手数料の低いETFや投資信託を選ぶ
もし、金融商品選びで迷ったら、参考にしてみてくださいね!