第39回 一番儲かる株式は 配当が××し続ける株!?|みらいのカナダ株式投資大作戦
こんにちは!みらいあせっとです!突然ですが、もし「あなたの資産を増やすために10銘柄選んで投資してください」と言われたら、どんな企業を選びますか?
EnbridgeやBank of Montrealなどのカナダの有名な配当株を選びますか?
それとも、Google(Alphabet)やAmazonなど、だれもが知るアメリカの有名な成長株を選びますか?
今回のお話は、配当株と運用成績の話。題して、「一番儲かる株式は配当が成長し続ける株!?」では、一緒にみていきましょう!
「配当が成長し続ける」とは
改めて、今回のテーマは「配当が成長し続ける株」。つまりは増配株や配当貴族の話です。
配当貴族とは一定期間以上配当を増やし続けた株式に対する尊称です。カナダでは「少なくとも5年間以上安定配当か増配を続けている」銘柄を配当貴族と呼びます(もっと詳しく知りたい時は、S&P/TSX Canadian Dividend Aristocrats Indexの定義を見てください)。
一方、アメリカでは、25年以上増配を続けた銘柄が配当貴族と呼ばれます。カナダでの配当貴族の定義が緩いのは、それだけ配当を増やし続けるのが難しいためです。
さて、「配当が成長し続ける」とはどういうことでしょうか。
そもそも配当を出せる株式とは、経営が順調で、ちゃんと儲かっていることを意味します。儲かっていない企業は配当出せませんから。
「5年間以上安定配当か増配を続けている」ということは、
2020年以降の逆境下でも、安定的に収益を獲得でき、投資家に配当を出し続けた。しかも、配当を増やすことすら可能だった。
そんな強い企業が配当貴族と呼ばれるんです。
投資家に大きなリターンをもたらした株式は?
さて、ここでちょっと興味深いデータを紹介します。
2010年までの少し古いデータですが、アメリカのS&P500(アメリカの代表的な株価指数)を構成する500社のうち、もっとも運用利回り(株価上昇 + 配当再投資後のトータルリターン、年利換算)が高かった企業はどんな企業か?を分析したものがあります。
分析結果が以下のリストで、分類と利回りをそれぞれ記載しました。
- 配当を出し続けた + 配当成長した企業: +9.6%
- 配当を出し続けたすべての企業: +8.8%
- 配当を出し続けた +配当成長しなかった企業:+7.4%
- 配当を減らした企業:-0.5%
- 配当を出さなかった企業(無配当企業): +1.7%
- S&P500(株価指数):+7.3%
※出典:Dr. Ian Mortimer and Matthew Page, Why Dividend Matter
これによると、一番儲かる株式は配当が成長し続けた株、すなわち増配株や配当貴族銘柄です。逆に、配当を出さない企業、配当を減らした企業の利回りは目も当てられないものでした。
このデータは直近のGAFAMの株価を含まないため、過去10年のGoogle(Alphabet)やAmazonなどのパフォーマンスを含めたら、少し違う結果になるかもしれません。
ですが、そういった一握りの大成功するような無配当企業だけを選ぶのは難しく思います。
もし、この結果を元に無難な投資を考えるなら、EnbridgeやBank of Montrealといった配当株を選ぶことだと個人的には思います。
配当株に投資するなら
ところで、自分で配当株を選ばずとも、ETFや投資信託を使えば、より手軽に配当株に分散投資できますね。
例えば、iShares S&P/TSX Canadian Dividend Aristocrats Index ETF(CDZ)は、カナダの配当貴族銘柄だけで構成されたETF。過去12か月の配当利回りは4.11%(2023年9月時点)と高く、分配金狙いの投資にも活用できます。
また、アメリカでもNOBL(ProShares S&P 500 Dividend Aristocrats ETF)やDGRW(WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Fund)といった配当貴族、または配当成長株に投資できるETFがあります。
配当株への投資に興味を持ったら、こういったETFを選ぶのも1つの手です。
さて、あなたならどんな投資をしますか?