第41回 カナダ市場の期待利回りはどのくらい?|みらいのカナダ株式投資大作戦
今回は「カナダ市場全体に投資したら、利回り何%で運用できるの?」、すなわちトロント総合指数に投資した時の期待利回りはいくらか?といったお話を紹介します。
ところで、ちょっと脱線しますが、あなたはX(Twitter)を見ていますか?
X(Twitter)では、「米国S&P500の過去の利回りは○○%!(だから米国株に投資すべき!)」みたいなポストを時々見かけます。
もちろん、過去の利回りをそのまま将来の利回りで想定することはできませんが、それでもこういった話題は米国株への長期投資を勇気づけたり、後押ししたりするものです。
そこで、この記事では、「カナダのトロント総合指数は期待利回りが○○%!(だからカナダ株も魅力的だよ!)」といった話題にしていきますね。
日本語ではなかなか語られないカナダ株の長期パフォーマンスの話。この内容、大変貴重ですよ?笑
カナダ市場の過去の年率リターンは6%前後
最初に結論を述べると、カナダ市場の過去の年率リターンは6%前後です(実質リターン。実質リターンはインフレ調整後の利回り)。
この利回りは、アメリカには少し及ばないものの、先進国市場の平均的な水準(約5.5%)よりはちょっと高め。なかなか魅力的な利回りですよね。
この数字の元になった2つの研究例を紹介しましょう。
1つめは「ジェレミー・シーゲル」教授の研究。彼は「株式投資(通称:緑本)」「株式市場の未来(通称:赤本)」を発行しており、日本の長期投資家の間でもかなり有名な人物の一人です。
彼は米国市場の過去200年の株式、債券(短期債、長期債)、ゴールド、米ドル(現金)の実質リターンを調べ、株式への投資がもっとも魅力的なことをグラフで示しました(「Stock for the long run」というキーワードで画像検索すると出てきます)。
この研究の過程で、カナダや日本を含む、主要先進国市場の実質リターンも公表されています。それによると、カナダ市場の株式、長期債、短期債の成績は以下のように求められました。
●長期債:2.1%
●短期債:1.8%
出典:Stock for the long run(第5版)より
1900年~2012年のパフォーマンス(数値は目視判断)
もし、1900年から2012年まで、カナダ市場(≒トロント総合指数)に投資していたら、年利5.8%の利回りで運用できました。
信頼度を高める意味で、もう一例、紹介しましょうか。
別の研究者のグループが1900年~2001年までの101年間について、主要な先進国市場の株式や債券のパフォーマンスを調べています。
その研究成果がまとめられた書籍「証券市場の真実」によると、カナダ市場の実質リターンは6.4%でした(シーゲル教授の研究とは期間が異なるため、数値も異なっています)。
この2つの研究例を合算すると、カナダ市場の過去の年率利回りは5%後半から6%前半程度。カナダ市場は、アメリカほどではないけども、なかなか魅力的な市場だったんです。
カナダ株への長期投資もきっと期待に応えてくれるよ!
カナダ市場の過去の年率利回りは5%後半から6%前後。
この結果、どう思います?
冒頭でも述べたように、ここまでの年率リターンは将来も同じとは限りません。とはいえ、「カナダ株もなかなか魅力的じゃない?」と思える、そんな結果だと思います。
ちょっと想像してみてください。
例えば、(よく例示しますけど)iShares Core S&P/TSX Capped Composite Index ETF(XIC)みたいな商品に投資しておく。
毎月追加投資はするけど、相場を予想しての細かい売買はしない。投資にかける時間は最小限にしておいて、その分、カナダでの人生を思いっきり楽しむ。
10年後か20年後ぐらいに運用成果を確認してみると、結構増えてて、あなたの将来の助けになるかも。
そんなことを期待して、投資してみるのも良いのではと思うんです。
これがちょっと怖い、不安だと思ったら、米国株や日本株(日本はもっと不安?笑)などにも分散投資すると安心できますね。わたしはこっち派ですね。
そういえば、以前投資して忘れてたカナダ株、ぼちぼち増えてましたよ!笑。ありがとうカナダ!!