「配当をテーマにしたカナダ株 ETFのメリット・デメリット|みらいのカナダ株式投資大作戦
今回は「配当をテーマにしたカナダ株ETF」を紹介しますね。あなたが投資や資産形成に期待すること。それはなんでしょうか?いろいろあるかと思いますが、その1つに「収入を増やしたい」「不労収入を作りたい」みたいなものもあるのではないでしょうか?
例えば、事故や病気で働けなくなった時。働かずとも得られる収入があれば大変ありがたいですよね。最近では、FIREムーブメント(経済的に独立し、早期にリタイアすること)の影響を受けて、積極的に不労収入作りを目指す投資家さんも多数いらっしゃいます。というわけで、今回は「配当をテーマにしたカナダ株ETF」。配当をテーマにしたETFとは、配当利回りの高い株式(高配当株)や配当を毎年増やしている株式(増配株)に投資できるETFのこと。一般に、分配金利回りが高いため、「不労収入を作りたい」といった需要に応えやすいのです。
どうです?関心あります?
じゃあ詳しく見ていきましょう!
配当を出す株式はどんな銘柄?
配当ETFの前に、そもそも配当を出す株式はどんな企業だと思いますか?
一般に配当を出す銘柄は、配当を出せるほどに安定的な収益性のある企業です。
例えばカナダの大きな銀行(Royal Bank of CanadaやToronto-Dominion Bank等)や、Enbridgeに代表される石油・天然ガス事業者など、古くから活動する大企業も多いです。
一方、Shopifyのような成長途中のIT企業などに配当は期待できません。配当を出せるほどの安定的な収益がなく、しかも収益は積極的な技術投資に使われやすいためです。
つまり、「配当をテーマにしたETF」への投資とは、配当を出せるほどに安定的な収益源を持つ成熟企業への投資になりやすいです。
配当株ETFを選ぶメリットとデメリット
メリットは「配当(分配金)がもらえる」ことです。
例えば、BMO Canadian Dividend ETF(ZDV)は利回りが4.19%で毎月分配(2024年3月時点)。もし10,000カナダドル投資したら、年間419カナダドル(税引前)もらえます。
こういったETFへの投資を増やしていくと、その分だけ分配金収入も増えていきますね。
FIREを意識する方が配当株ETFを選びたがる理由は、分配金収入が増えることで、将来の収入源を確保できるというわかりやすさがあるからです。
一方、配当株ETFは株価が上がりにくいデメリットがあります。利益を配当として還元するほど、企業が成長するための投資が行われにくくなるからです。
例えば、ZDVはこの5年間で+46.53%(配当込みで約1.4倍)の成績を出しましたが、XIU(iShares S&P/TSX 60 Index ETF)は同期間で+60.50%(配当込みで約1.6倍)の成績を出しました。
つまり、お金を増やしたい思いで配当株ETFを買っても、実は遠回りしている可能性もあるのです。
困った話ですよね。
こういった配当をテーマにしたETFを選ぶかどうかはあなたの年齢や現在の働き方、そしてあなたの考え方によって変わってくると思います。
どんな商品があるの?
具体例としてVDYとCDZの2つを超ざっくり紹介しますね。
FTSE Canadian High Dividend Yield Index ETF (VDY)はバンガードカナダの商品で、カナダの金融銘柄中心に、カナダの配当利回りの高い企業に投資できます。
もう一例、S&P/TSX Canadian Dividend Aristocrats Index Fund(CDZ)は米ブラックロックのETFで、少なくとも5年以上連続で配当を増やした銘柄が投資対象です。
同じ配当をテーマにしたETFでも銘柄の選び方が異なる点が面白くも難しいところですね。
まとめ
今回はカナダの配当をテーマにしたETFについて解説しました。
ちなみに、カナダ市場はそもそも配当利回りが少し高め。実はトロント総合指数やトロント60指数に連動するETF(XICやXIU)を買うだけでも3%の分配金利回りを期待できます。
正直、配当株ETF買わなくてもいいんじゃない?って気もしますが、あなたならはどう思います?