【第46回】日本での投資情報をカナダでの資産形成に活かす方法|みらいのカナダ株式投資大作戦
今回は「日本での投資情報をカナダでの資産形成に活かす方法」、紹介しますね!
もっと具体的に言うと、特に日本の投資初心者向けに紹介されている投資信託やETFの情報を応用し、カナダでの資産形成に活かす考え方や必要な知識を取り上げたいと思います。この記事のポイントは「アセットアロケーション(資産配分)」。これを理解すると、投資信託やETFへの理解が一気に進みますよ!さて、日本の資産形成層では「オルカン」と呼ばれる投資信託が人気です。
オルカン、知ってます?
投資の非課税制度(NISA)を使ってオルカンに毎月積み立てすると資産を作れる。だいたいそういうコンセンサスがあり、最近投資を始めた初心者層もオルカンを買うケースが多いです。
カナダにもそういう商品あったら便利ですよね?
「実は資産配分を理解すると、オルカンの真似っこができるんですよ」というのが、今回伝えたいところなんです。
カナダでオルカンと言うと、もしかしたらXAW(iShares Core MSCI All Country World ex Canada Index ETF)のことかもしれません。
実はXAWにカナダ市場連動のETFなど加えると、日本のオルカンとほぼ同等の資産配分を作れますよ!
では、具体的に説明しますね。
「オルカン」をカナダで再現するには
最初にオルカンの話をもうちょっと詳しく紹介しましょう。
オルカンとは「eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託を指しています。この金融商品は
- 信託報酬(Expense Ratio)が低く、その分投資家の利益が増えやすい
- 自国(日本)を含む全世界の株式に投資できるから便利
といった観点で選ばれています。あと「人気だから、もっと人気に」というのもあるよね。
ここであなたに注目してほしい点は、オルカンの資産配分です。資産配分、連呼してますけど、めっちゃ重要です。
資産配分とは、株式や債券など、金融商品が投資する「資産」の配分のこと。オルカンの資産配分は
- 日本株式: 5%
- 先進国株式(除く日本): 85%
- 新興国株式: 10%
と、資産の100%を世界中の株式に配分しています(だから全世界株式と名前がついています)。
この配分は、現在の株価が全て正しい(割高でも割安でもなく、すべて適正価格。詳しくは効率的市場仮説を調べてみてください)との前提で決められています。言い換えると、この資産配分は日本人向けの特別な配分ではなく、カナダ人やアメリカ人、そしてあなたにとっても適正な配分と言えるものです。
さてさて。最初に触れたXAWはカナダ上場のETFでしたね。このETFの資産配分を見ると
● 先進国株式(除くカナダ): 89%
● 新興国株式: 11%
XAWにはカナダ株が含まれないため、カナダ株を足してやりましょう。
例えばXIU(iShares S&P/TSX 60 Index ETF)やXIC(iShares S&P/TSX Capped Composite Index ETF)といったカナダ株関連の商品をちょっぴり加えてやると、なんと日本のオルカンとほぼ同等の資産配分を作れます。
あとは一定の比率を維持して、積み立てを続ければ、オルカンとほぼ同じ資産形成ができることになります。
運用している商品は違うけども、資産配分はほぼ同じですよね?って。
資産配分。めっちゃ大切です
ここで大切なのは資産配分。
一般、具体的な金融商品の組み合わせをポートフォリオと言います。例えば、ここまで挙げたXAW、XIU、XICと3つの具体的な商品の組み合わせ。これがポートフォリオです。
一方、株式や債券など、金融商品が投資する「資産」の組み合わせをアセットアロケーションと言います。例えば、XAWの資産配分は先進国株式と新興国株式、XIUの資産配分は先進国株式(カナダ株式)です。
あなたにはぜひ資産配分について覚えてほしい!
これ、違いを覚えるまで結構苦労する(笑)んですが、この違いを理解すると投資信託やETFの理解が格段に進みますよ!