【第51回】カナダ株 vs 米国株!強いのはどっち!?|みらいのカナダ株式投資大作戦
今回は、カナダ株と米国株のどちらが強いか、指数ベースで比較してみましょう。投資する上で、「どっちが儲かるのか」ってやはり興味を持つ部分だと思うのですよね。「儲かるほうに投資したい」って自然な心理だと思いますし。そこで、過去のパフォーマンス比較と、その時に何があったのかを紹介しますね。自分で比較しようかと思いましたが、興味深い情報がネット上にあったため、それを紹介します。それでは一緒に見ていきましょー!
キーワードは「GDP成長率が年4%」
Provisus Wealth Management というカナダの投資サービスのウェブサイトに素敵な比較がありました(出典:https://www.provisus.ca/sp-tsx-vs-sp-500/))。
この記事では2014年末までの米国株(S&P500、カナダドル換算)とカナダ株(TSX総合指数)を比較し、次のように紹介しています。
記事によれば、1970年以降、世界のGDP成長率が年4%を超える機会が14回あり、その期間の79%でカナダ株は米国株を上回る成績を残した、とされています。
掲載された図を読み解くと、1970年代と2000年代でカナダ株は米国株を上回りました。この期間は年間のGDP成長率が4%を超えることが多かったのです。
一方、1980年代、1990年代のGDP成長率は4%を下回る期間が大半でした。そして、カナダ株のパフォーマンスも米国株を下回りました。
ちなみに、このサイトでは2015年以降のデータがないため、2023年までの成績については独自に調べました。
世界のGDPが4%を上回ったのは、2011年と2021年です。
一方、2015~2023年でカナダ株(XIC)が米国株(ZSP)を上回ったのは2016年だけでした。
2021年はコロナ禍の落ち込みの反動で、6%を超える大幅成長を見せています。しかし、カナダ株(XIC)のパフォーマンスは米国株(ZSP)をわずかに下回っています。
なぜ成長率4%超でカナダ株は好成績に?
理由の1つは原油価格の動向です。実は、過去にGDPが高い成長率を見せた時に、原油価格が大幅に値上がりしたケースがあったのです。
先ほどのProvisus Wealth Managementのウェブサイトにはこんな記述もあります。
実際、TSX総合指数の業種別内訳を見ると、金融が31.5%、エネルギーが17.5%で、この2つのセクターだけで50%近くに達しています。そのうち、エネルギーは原油や天然ガスなどのエネルギー資源と深く関係のあるセクターです。
実は、1970年代や2000年代は原油価格が大幅に上昇したタイミングでした。一方、1980年代、1990年代、2010年代は原油価格の変動も穏やかでした。
そう考えると、「GDPの成長率が高い局面で、原油価格も上がる場合には、カナダ市場も恩恵を受けやすい」と言えるかもしれません。
ちなみに、銀行を含む金融セクターは景気低迷から景気が拡大する場面で好成績を残しやすいとされます。エネルギー価格の力強い上昇が、銀行関連にも恩恵を与えた可能性はあると思います。
将来はどうなる?
2029年までのGDP成長率予測によると、3%台後半が見込まれています(出典:https://www.statista.com/statistics/273951/growth-of-the-global-gross-domestic-product-gdp/)。
コロナの影響を除くと、2012年以降は3%台後半の成長率を維持しており、この予想は比較的妥当な水準のようにも思います。
もしそうなら、引き続き、米国株がカナダ株を上回るパフォーマンスを出し続けるのかもしれません。
そう考えると、カナダ株と米国株の両方に投資するのも良いと思いませんか?