今月のネタ 香ばしさ最高!殻も身も丸ごと頬張る「ソフトシェルクラブ」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話
バンクーバー産の活きボタンエビに舌鼓を打った前回の取材が忘れられず、「やっぱり旬な食材は最高ですね!次は初夏にぴったりの一品をお願いします!」とリクエストに応じてくれる形となった今月。エビときたら次はカニでしょ!ということで、今回は6月から8月にかけて旬の丸ごと味わえるのが醍醐味な一品を紹介します。
海の幸の宝庫・メイン州の特産物「ブルークラブ」
バケーションランドという愛称でも知られているアメリカ・メイン州。キャンプにハイキング、冬はスキーなど米国人だけでなくカナダ人からも大人気のエリア。当然、ロブスターやウニなど海の幸も豊富で、蟹ももちろん有名だ。
脱皮したて、柔らかくてぷよぷよ。栄養豊かで食味も最高!
「前回がエビだったら次はやっぱり蟹でしょ!」とお膳立てしてくれた太郎さん。「毎年初夏になるといろんなお店でも味わえるソフトシェルクラブ。日本ではワタリガニとして知られるブルークラブなんだけど、読んで字のごとく脱皮したての柔らかい状態のまま丸ごと楽しめる人気の食材だね」。
調べてみると、蟹などの甲殻類は成長していく過程で古い殻からカルシウムを吸収し、古い殻を脱ぎ捨ててまた新しい殻にカルシウムを戻して硬くなっていくそうだ。なので、ソフトシェルクラブは硬くなる前の状態を味わうので、栄養満点というわけだ。
香ばしい殻の旨み、甘い身、濃厚な味噌が口の中で混ざり合う
「爪の先にかけて鮮やかなブルーの蟹の脱皮直後はこの見かけ通りソフトで指を挟まれても全く痛くないプヨプヨ状態。うちでは、3種類の粉と酢と水を混ぜた衣でカラッと揚げて提供しているんだけど、ふっくらして丸ごと食べられるのが醍醐味だよね。殻の香ばしさ、旨み豊かな甘い身、蟹好きには堪らない濃厚な味噌、それらをいっぺんに口の中で楽しめちゃうんだから、ある意味贅沢だよね」と旬の味覚を表現してくれた。
ツイッターでつぶやいたところ、「カナダ人はコレを有名な日本食だと思ってる!」「大きなサンドイッチにはさんで食べるのがオリジナル!」など声が上がるほど多くの人に愛されているソフトシェルクラブ。今では唐揚げはもちろん、ロールのお寿司などでも見かけるが、実は年に2~3回しか脱皮しない希少な食材。なので、どうぜ食べるなら冷凍ではなく、旬の時期に活きたての状態で丸ごと揚げたものをお楽しみください!
人気ポケ丼の新しいメニューを開発せよ!
現場では若手スタッフの成長が著しいTaro’s Fish。この夏からのプロジェクトに向けて商品開発に余念がない。この日も若手リーダーのRYOくんとともに新しいポケ丼の試食。わさび醤油やピリ辛オイル、韓国風ソースなどオリジナルソースのアイデアやヘルシー志向を意識して玄米を使ってみたらどうか?など議論も活発だ。「スライス・プリーズ!」の合言葉で自分好みの刺身のサクを選んでその場で丼ぶりにできるなど、テイクアウトメニューも魅力的なので、ぜひお試しあれ。
本日入荷のマグロはスリランカ産
3時間の取材中も裏口から続々と届く鮮魚の数々。入荷するごとに品質チェックを行い、状態が悪いものは返品している。今日入荷のマグロはなんとスリランカ産とのこと。「世界各地から旬なものを仕入れる。業者の皆さんとは20数年の付き合い。彼らも僕が求めているものを分かってくれている」という。ズバリ、これがTaro’s Fishの強さなんだと感じた今月の取材でした。
季節の鮮魚や美味しいお刺身、お寿司、お惣菜が満載
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