今月のネタ 「秋から冬が旬!ヒラメ」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話
トロントの短い夏も終わり、少し肌寒さを感じる秋がやってきた。Taro’s fishにもフロリダやボストン、ポルトガル、ニュージーランドなど世界の港から秋冬に美味い地魚が揃う。今回案内してもらったのは淡泊で繊細、上品な味わいをもつヒラメ。昆布締め、白身の握り、みんな大好きエンガワ、そして希少価値の高い肝など目の前で料理をしてもらいながら、ヒラメの魅力を教えてもらった。
3月ヒラメは猫マタギ
「そんな言葉を知ってるかい!?ヒラメの旬は秋から冬にかけて。春のヒラメは魚の好きなネコでも食べないほど味が落ちるから、猫マタギなんて言われてるんだよ」と小ネタを教えてくれる太郎さん。豊富な餌を食べて秋冬にかけて脂がしっかり乗ったヒラメは、うま味の中心となるイノシン酸が豊富で、淡白でありながらも濃厚な味わいが特徴だという。「うちではフロリダ、ボストン、ロングアイランドで獲れる天然のヒラメがこれからどんどん入荷されるからぜひ多くの人に味わって欲しいね。」
旨味凝縮!ヒラメの塩麹昆布締めで日本料理の魅力を発信
ヒラメといえば代表的な料理に「昆布締め」が挙げられるだろう。目の前では太郎さんが昆布を日本酒に湿らせているところだ。「日本酒には昆布の旨みを引き出して、刺身の臭みを抑える効果がある。昆布の旨みが刺身に染みて食べごろになるのは3~4時間程度。香りもよし、一口食べてまろやかな旨みもぜひ感じて欲しい。」
Taro’s Fishでは塩麹を利用しているという。「塩麹に漬けることで旨味成分が凝縮されて、ねっとりとした食感とほのかな塩気と甘味が昆布の旨味と調和して上品な一品になるんだよ」と一口賞味させてもらう。昆布の香りがふわっと口の中に広がり、ほどよい弾力とまろやかな味わいにただただ感動!
旨み成分であるヒラメのイノシン酸が、昆布のグルタミン酸の浸透により増加し旨味を増しているようで、その美味しさは科学的にも証明されているそうだ。「旬の地モノで、出汁文化“日本”ならでは調理法を用いて、日本料理の美味しさを実感できるメニューを一品でも多くお客さんに提供する、それがTaro’s Fish!」と創業以来掲げているコンセプトは決してぶれない太郎さん。その姿勢こそが“こだわり”という言葉に値するのだろう。
余すとこなく楽しめる!酒飲みにはたまらない
「脂がのった旬のヒラメはうま味が濃く、そのまま刺身でも昆布締めでも酒飲みにはたまらないよね。昆布も刻んで刺身と一緒に食べると格別の味わいだよ。火をいれても美味しくて、バターにも合うしソテーしてムニエルも有名だよね。ヒラメのスープも最高に美味いよ。」
みんな大好き「エンガワ」と希少部位「「肝」に舌鼓を打たずにはいられない
プリプリとした独特の食感で人気の「エンガワ」。ヒレに近い部分で、筋肉が発達しているので歯ごたえがよい。コラーゲンもたっぷり含まれているそうだ。さらにヒラメは「肝」が美味しい魚としても人気だ。あん肝のように蒸して食べたり、湯引きしてポン酢と和えたり、肝醤油にしたり、様々な食べ方があるようだ。
素材を深く理解しているのがTaro’s Fish
「もちろん日本の魚は美味しいし、養殖技術もこの数年で格段に上がってきて良いと思うんだけどお値段もそれなりにするよね。やっぱりうちのこだわりは近海の地モノでもクオリティーの高い良質なものや旬な魚があるということを知ってもらって、リーズナブルに提供していきたいんだよね。」と語る太郎さん。
美味しい魚とはなんだろう、と考えてみる。「鮮度が良いこと」「一番脂がのった旬な時期であること」だろう。世界各地から旬のものを目利きしてくれて、鮮度の良い季節の魚をリーズナブルに手に入れることができる魚屋さんがトロントにあることは、最高の喜びだとあらためて思った食欲の秋でした。
季節の鮮魚や美味しいお刺身、お寿司、お惣菜が満載
Taro’s Fish
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