今月のネタ 「カナダの冬の味覚 バンクーバー産の生ウニ」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話
日本に住んでいると冬の味覚といえば、蟹、牡蠣、ブリ、アンコウ、フグなどを思い浮かべる私。今回カナダの冬の味覚として教えてもらったのが、バンクーバーからやってくる「ウニ」。北海道産をはじめ日本のウニは絶品だが、バンクーバーやボストンのウニなんかもよく見かけるトロント。今回は冬の味覚に迫っていきたい。
「海胆」「海栗」「雲丹」
「10月から4月初旬はバンクーバーから美味しいウニが届くシーズン。ウニは生殖巣を食べることから、産卵期前が一番栄養が豊富で最も美味しいと知られている。バンクーバー産はバンクーバー島やクイーンシャーロット島で獲れて、冬はうちの店にもたくさん届いているんだよ!」
「バンクーバー産のウニはRed Sea Urchinと呼ばれていて、日本語ではムラサキウニ。風味は独特の磯の香りがあって、身は大粒、濃厚な甘みとしっかりとコクがあるのが特徴。ウニは、漢字も色々あって食品としてのウニを表すときは「雲丹」があるけど、食べられる部分が胆のように見えることから「海胆」と書いたり、全身がトゲで覆われていることから、海の栗で「海栗」とも書いたりするのも面白いね。日本三大珍味とも呼ばれる高級食材だけど、ぜひトロントの皆さんにもこのバンクーバー産の生ウニを味わってもらいたいね!」
「刺身と言ったらウニ!」
という人がいるほどウニ好きが多いトロント
世界中の海の海底に生息しているウニは、日本の近海だけでも約140種、世界中でおよそ870種も確認されているのだとか。食用のウニは限られているが、バフンウニ・エゾバフンウニ・ムラサキウニ・キタムラサキウニ・赤ウニなどが有名だ。
「そうそう、ウニといえば西海岸カリフォルニア州ロサンゼルスの北に位置する太平洋岸のサンタバーバラもすごく有名。フードトラベルが好きな人はぜひ訪れてまた違った味わいを堪能してみてもらいたいね」
好きな食べ方やおすすめを聞いてみると、太郎さんは生よりも少し炙った方が好きとのこと。
「生とはまた違った風味が生まれ、クリーミーさが増して濃厚な旨さを味わえるのがいいよね。あと、海苔ともよく合うからやっぱり軍艦で食べるウニの寿司は絶品だよね」
18年ぶりにTaro’s Fishに出戻った小谷さん
長く鋭いトゲに覆われた大きなウニが目の前にドカン!口の周りを切り、内臓を取り出し、黄色に輝く美しい身を取り出す実演を見せてくれたのは最近入社した小谷さん。実は、今から18年前のハタチの頃ワーキングホリデーでTaro’s Fishにお世話になったとのこと。日本に帰国後は懐石の料理人として長年キャリアを積み、ここ数年は高知県の太郎さんが卒業した調理師学校で先生を務めていたということもあり、今の若手メンバーをトロントに送ったのは小谷さんだそうだ。
ふたたびTaro’s Fishに戻ってきた懐石料理人の小谷さんがどんな活躍をするのかウォッチングしていきたい。皆さんも好きな魚の柵を選んで合言葉「スライス・プリーズ!」で小谷さんの包丁さばきを要チェック!
“アドベンチャーだよね”
コロナが明けてからすでにノルウェー、日本、ベトナムを視察に飛び回った太郎さん。先月はフロリダから人気ユーチューバーのヒロ寺田さんグループをトロントに迎え入れるなど目で見て顔と顔を合わせる直のふれあいを大切にする太郎さん。「ウニもこれまでにバンクーバーは2~3社、ポートランドやボストンを含めると5社以上の工場を直接訪れたね。やっぱり現地に行って肌で感じないと。机上や想像で考えるよりも、実際に現地に足を運び、現物をみて、触れることで、物事を見極めることが大事。まさにアドベンチャーだよね!」そう語る太郎さんは2023年も現地現物主義をモットーにすでに色々と計画しているとのこと。乞うご期待!
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