今月のネタ「ノバスコシア産天然キハダマグロ」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話
先月ついに3号店がオープンしたTaro’s Fish。大型店舗だけあってキッチンも大きく、セントラルキッチンの役割も担っている。オープンしてかなり忙しい様子だった魚屋一筋26年のオーナー太郎さんから久しぶりに電話が入った。「編集長、今朝はシーズン初となるノバスコシアからキハダマグロが3本届いているよ。ちょっと寄っていきな!」やっぱりマグロは天然に限ると常々思っている私、カナダ産の天然ものの解体が身近で見れるとなっては寄らないわけにはいかない。もちろん試食が楽しみなのだけど…。
やっぱり僕は天然もの・地ものにこだわりたい
裏口に届いたのはそれぞれ60キロはあるキハダマグロだ。「英語名はYellowfin Tuna。背ビレや尾ビレが黄色なのが特徴。見てわかる通り全体的に均一の鮮やかな赤身でトロの部分はあまりなく、色持ちもいいので刺身につくりやすいね」と解体しながら教えてくれる太郎さん。
一人で黙々と大きなマグロを次々と解体していく太郎さん、「これは漁師が1本ずつ釣り上げた天然もの。マグロはデリケートな魚。もちろん日本をはじめメキシコなど養殖のレベルも上がっているけど、やっぱり僕は天然もの・地ものにこだわりたいという思いを持ってずっとやっているんだよね」とこのコラムでもずっと伝えている親方のフィロソフィーが伝わってくる。
マグロの身は大きく2つの部分、背中側の「背身」、お腹側の「腹身」に分けられる。背中側の身のほうが大きく取れるため、寿司ネタやサクの用途に使用され、 お腹側は大トロなど脂がたっぷりと乗ってる部分に当たる。
希少部位も手に入る、それがトロントの魚屋さんの強み
鮮やかな赤身、しっとりとした味わい、濃厚な脂の旨み、カナダ産の天然ものの魅力は奥深い。そして私はこう見えても中落ちやカマなどの希少部位が大好きなフーディーなんです。
特に中落ちは濃厚な赤身の味が好きな人は絶対にハマるはず!総重量の1%しかとれない貴重な部位と言われていて、マグロは体の中心になるほど赤みが強くなるので、その真ん中にある骨と骨のすきまから削ぎ落とす赤身は究極だと思っている。
「この大きなカマなんかは、Dine-inがスタートしたら魚屋さんらしい限定メニューにしてもいいね。大トロに近く脂がたっぷり乗っていて鮮度も良いからそのまま焼いて食べたらお客さんに喜んでもらえるだろうね」と店内でオープン予定のレストラン構想を語りながらエラの後ろの部分に包丁を入れていく。
時にはマグロの脊椎骨の窪みにある白いゼラチン状の骨髄やゼラチン質豊富な目玉を特別にオーダーするお客さんもいるそうだ。
魚屋の面白みは食材を余すことなく使い切ること!
じっくり丁寧に煮込んでスープの出汁にするし、カマの部分はオーブンで焼いてみんなの賄いになる予定。以前もこのコラムで紹介したけど、マグロの皮やスジ、血合いなんかも栄養たっぷりなお惣菜が作れたりするんだよ。」
食材を捨てることなく、余すことなく使い食べ切る。当たり前のようでその当たり前が意外と難しい。魚をまるごとを仕入れる魚屋さんTaro’s Fishならではの仕事の面白みを今日は感じることができた気がする。
これまでにも何度もカナダ産天然本マグロを紹介してきたのでぜひこちらもご覧ください
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Taro’s Fish
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