【番外編】シェパード店が長く愛される理由「1号店グロリア店長が語る、Taro’s Fishらしさ」|トロントの魚屋さんTaro’s Fishで編集長のちょっと立ち話|#トロントグルメ部|食の編集部
Taro’s Fishの1号店を訪れると、どこか懐かしい空気が流れている。店内には日本の調味料や食材、手作りのお惣菜が並び、ショーケースにはおすすめの鮮魚や寿司が美しく並ぶ。そして何より印象的なのは、スタッフとお客さんとの自然な会話だ。
今回は、1号店を長年支えてきた店長・グロリアさんに、この店だからこそ生まれる魅力を聞いた。

「長年通ってくださるお客様が、この店の財産です」

「1号店の一番の特徴は、お客様との歴史ですね。」
そう切り出したグロリアさんの表情が、少し柔らかくなった。
「J-Townの時代から通ってくださっているお客様が、今でもこの店に来てくださいます。『ここなら知っているスタッフがいる』『いつもの店だから安心』と言ってくださる方も多いんです。ダウンタウンから来られる方もいれば、バーリントンやウッドブリッジから来られる方もいます。驚かれるかもしれませんが、一番遠いお客様はオタワです。月に一度、6時間かけて車で来られて、大きなカートいっぱいに買って帰られるんですよ。本当にありがたいですね。」
笑いながらそう話すが、それだけ信頼されている証でもある。
「近くには大きなスーパーがたくさんあります。でも私たちは、日本の商品にこだわっています。日本で親しまれているもの、日本の味を思い出せるものを、地域の皆さんへ届けたい。それがこの店らしさだと思っています。」
「うれしい日に、選ばれるお店」
さらに、この店ならではのエピソードもある。
「日本から帰ってきたばかりのお客様が、その足でTaro’s Fishへ来てくださることがあるんです。」
「『せっかく日本でたくさんお寿司を食べてきたでしょう?』と聞くと、『でもTaro’s Fishのシャリが食べたかったから』と言ってくださるんですよ。」
グロリアさんは、その言葉を今でも忘れられないという。
もう一つ、この店ならではの光景がある。
「North York General Hospitalがすぐ近くなので、赤ちゃんが生まれた日に、ご主人がお寿司を買いに来られることが本当によくあります。」
理由を聞くと、思わず笑みがこぼれた。
「奥様が10カ月間、お寿司を我慢されていましたからね(笑)。『やっと食べられるから』と、お祝いにパーティートレーを持って病院へ向かわれるんです。」
日本から帰って最初の一食に。新しい命が誕生したお祝いの食卓に。
「お客様の大切な日に、この店を思い出していただけることが何よりうれしいです。」
グロリアさんは、そう穏やかに話してくれた。
「チーム全員で、お客様を待たせない」

「太郎さんの考え方は、とてもシンプルなんです。『基本的なことを、きちんと完璧にやる。』それだけです。お店によっては品質やサービスに波があることもあります。でも私たちは、いつ来ても同じ品質のものをお渡しできるようにしています。」
そして品質を支えているのは、魚だけではない。
「私は、一人ひとりがいろいろな仕事を経験することを大切にしています。」
巻き寿司、握り、刺身の切り付け。それぞれの持ち場を経験することで、お互いの仕事を理解し、自然と助け合えるチームになるという。
「ロールが忙しければみんなで手伝う。刺身の注文が重なれば二人、三人でスライスに入る。そうすれば、お客様を長くお待たせすることがありません。」
最後にグロリアさんは、静かにこう締めくくった。
「私たちの目標は、とてもシンプルなんです。お客様に満足して帰っていただくこと。そのためなら、スタッフ全員で支え合う。それがTaro’s Fishらしさだと思っています。」
いつもの刺身と寿司を、これからも

「日本の文化を、この店でたくさん教えていただきました。土用の丑の日や季節の食べ物、日本ならではの商品…。これからも刺身の品質には絶対に妥協せず、世界中のおいしい魚と、日本の懐かしい味の両方を届けていきたいと思っています。」
そして最後に、こんな言葉を添えてくれた。
「30年前から太郎さんと智亜紀さんたちが卸売をしていた頃からのお客様が、今でもこの店へ来てくださいます。何十年経っても、『ここへ来ればいつもの味がある』『新鮮で美味しい刺身と寿司が味わえる』と思っていただける店であり続けたいですね。」

季節の鮮魚や美味しいお刺身、お寿司、お惣菜が満載
Taro’s Fish
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