夏にぴったり「番茶」|お茶コラム



夏に収穫されるお茶は、日本では6月~7月は「二番茶」といわれ、7月~8月(または秋収穫のお茶)は、「三番茶」といわれ、一番茶や二番茶の後に伸びた大きな葉を摘み取って作られます。さっぱりとした味わいが特徴で、香りは新茶や一番茶にくらべ弱いですが、カフェインが少なめなことが最大の特徴といえるでしょう。
「番茶」と聞くと安価なイメージを持つ方もいるかもしれませんが、今回は番茶の魅力についてお伝えしたいと思います。

番茶は一般的には新芽を摘み取った後に残る硬い葉や茎を中心につくられるお茶です。その中でも夏に収穫されるお茶は、三番茶、もしくは四番茶といわれ、剪定のために切り取られた葉や茎なども原料の一部となります。葉のサイズは通常の煎茶で使われる規定サイズよりも大きいものがつかわれ、これらは「川柳-かわやなぎ」や「青柳-あおやなぎ」とも呼ばれるそうです。
4月末から5月に摘まれるお茶は「新茶」、「一番茶」といいますが、甘みや爽やかな香りが特徴。若くて柔らかい新芽には「青葉アルコール」という香気成分があり、フレッシュな香り成分がたっぷりと含まれています。
成長した葉は、これらの成分が減少するため、どうしても香りが弱くなります。皆さんに親しまれている、ほうじ茶や玄米茶は、もともとは香りが弱くなった番茶を日常的に美味しくのむための先人の知恵から生まれたものと考えていいでしょう(最近は高級茶葉をつかったほうじ茶や玄米茶も存在しているので、一概には言えなくなりましたが)。
桃ティーの「フレーバーティーシリーズ」も、「番茶」をベースに製造されています。定番の「煎茶」とくらべ、茶葉の形状が大きいのが特徴です。また、商品としての「水出し煎茶」は番茶を細かく裁断し、水に溶けだしやすいよう工夫がされています。
「番茶」といっても、決して「古いお茶」という意味ではなく、さまざまなところで有効活用されていることがご理解いただけたかと思います。番茶自体は、さっぱりとした飲み口で、カフェインが少なめなことが最大のメリットなのではないでしょうか。お子さんや胃が弱い方でも飲みやすいお茶として親しまれています。
また、昨年の夏にお茶コラムでご紹介した、氷水出しメソッド(https://torja.ca/tea-column2507)では、水の温度をゼロ度に近づけると、旨味と甘味が増すだけでなく、カフェインの溶出を最大限に抑えられることをお伝えしました。
もともとカフェインが少なく、すっきりした味わいの「番茶」を「氷水出し」することで、夏空の下でゴクゴクと飲みたい理想のサマードリンクとなるでしょう!

吉田桃代
Tea&Herbal Association Canada公認ティーソムリエ日本茶アドバイザー
日本茶のオンラインストア「Momo Tea」とお茶団体「Nihoncha Canada」を運営。Momo Teaは2015年からトロントのお茶の祭典、Tea Festivalや、日系文化会館の季節のイベントを中心に出店。2023から日本茶の良さをカナダの人に広めたいという想いを込めて、日本茶と日本の文化に特化した「日本茶祭り」を主催。毎年11月第一日曜開催予定。




