【9月10日〜19日 】 2020年トロント国際映画祭 今年の注目作品|特集「ハリウッド・ノース-カナダと映画」
今年のTIFFでの上映作品について、厳選された長編50作品の中から注目作品を紹介。といっても本当に厳選された50本なので、いずれも興味をそそられる作品ばかりだ。全作品を紹介したいところだが、その中でも特に話題作や人気俳優の出演作に絞ってみた。
注目の日本映画
西川美和監督、ワールドプレミア
『Under the Open Sky』(原題『すばらしき世界』)
Contemporary World Cinema
監督: 西川美和
主演: 役所広司、仲野太賀、橋爪功、梶芽衣子、六角精児
殺人罪の長期刑を終えて出所した男が、周囲の助けも借りつつ一般社会で真っ当に生きていこうともがく中、彼を番組に取り上げようとテレビ関係者が近づいてくる。来年2月に日本公開予定。ワールドプレミア。
河瀨直美監督、カンヌ選出作品
『True Mothers』(原題『朝が来る』)
Special Presentations
監督: 河瀨直美
主演: 永作博美、井浦新、蒔田彩珠、浅田美代子
子供に恵まれず特別養子縁組で子供を迎え入れた夫婦と、その子を育てられず手放さざるを得なかった産みの親の少女。6年後、若い女が子供を返してほしいと夫婦のもとに現れる。今年のカンヌ国際映画祭にも選出されている。
おさえておきたい話題の注目作品
『Good Joe Bell』
Gala Presentations
監督: レイナルド・マーカス・グリーン
主演: マーク・ウォルバーグ、リード・ミラー、コニー・ブリットソン
息子のために米国を徒歩で横断しようとする父親の実話。『Monsters and Men』(2018)でサンダンス映画祭の審査員特別賞を受賞したレイナルド・マーカス・グリーン監督の最新作。
『Summer of 85』
Special Presentations
監督: フランソワ・オゾン
主演: Felix Lefebvre、Benjamin Voisin、Philippine Velge
1985年夏のノルマンディー地方での、十代の少年2人の運命的な友情と愛。1980年代の青春を描くフランソワ・オゾン監督の最新作。今年のカンヌ国際映画祭にも選出されている。
『Nomadland』
Gala Presentations
監督: クロエ・ジャオ
主演: フランシス・マクドーマンド、デビッド・ストラザーン、リンダ・メイ
不景気のあおりを受けた中年女性が既存の社会から飛び出し、車でアメリカ西部へ向かい、遊牧民的な生活を始める。『Songs My Brothers Taught Me』(2015)や『The Rider』(2017)で注目されるクロエ・ジャオ監督の新作。
『Ammonite』
Gala Presentations
監督: フランシス・リー
主演: ケイト・ウィンスレット、シアーシャ・ローナン
19世紀の英国での古生物学者の独身女性と裕福な既婚女性のラブストーリー。『ゴッズ・オウン・カントリー』(2017)のフランシス・リー監督の最新作で、今年のカンヌ国際映画祭にも選出されている。
『Penguin Bloom』
Special Presentations
監督: グレンディン・アイビン
主演: ナオミ・ワッツ、アンドリュー・リンカーン、ジャッキー・ウィーバー
悲劇の事故で麻痺が残った女性が、ある不思議な鳥と出会ったことから、彼女と一家が希望を見出すことになる実話。オーストラリアのテレビ界で活躍するグレンディン・アイビン監督の最新作。
『Another Round』(原題『Druk』)
Special Presentations
監督: トマス・ビンターベア
主演: マッツ・ミケルセン、トマス・ボー・ラーセン、ラース・ランゼ
体内の血中アルコール濃度を一定に保とうとして酒を飲む男たちの、友情とアルコールにまつわるコメディ。デンマーク語のデンマーク映画で、今年のカンヌ国際映画祭にも選出されている。
『One Night in Miami』
Gala Presentations
監督: レジーナ・キング
主演: Kingsley Ben-Adir、Aldis Hodge、Leslie Odom Jr.
1964年のマルコムX、モハメド・アリ、サム・クック、ジム・ブラウンの会合にまつわる物語の舞台劇の映画化。『ビール・ストリートの恋人たち』(2018)でアカデミー賞助演女優賞を受賞したレジーナ・キングの長編監督デビュー作。
『Shadow In The Cloud』
Midnight Madness
監督: ロザンヌ・リャン
主演: クロエ・グレース・モレッツ
第二次世界大戦中、高度6千メートルの上空に潜む影。女性パイロットが頑固な同僚男性パイロットと、機上で悪夢に遭遇する。
『Falling』
Special Presentations
監督: ビゴ・モーテンセン
主演: ビゴ・モーテンセン、ランス・ヘンリクセン、テリー・チェン
ゲイの男性が、同性愛者を毛嫌いしている病気の父親の面倒を見ることになり、我慢を強いられることになる。ビゴ・モーテンセンが監督・脚本・主演を務める監督デビュー作。
『Bruised』
Gala Presentations
監督: ハル・ベリー
主演: ハル・ベリー、エイダン・カント、シーラ・アティム
総合格闘技の元選手が、息子の親権を取り戻し、選手として再出発しようと奮闘する。『チョコレート』(2001)でアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞するなど女優として活躍してきたハル・ベリーの監督デビュー作。
『City Hall』
TIFF Docs
監督: フレデリック・ワイズマン
ボストン市庁舎の人種政策、住宅政策、環境問題対策などについて、ドキュメンタリー映画の巨匠フレデリック・ワイズマンが描くドキュメンタリー。
『76 days』
TIFF Docs
監督: Hao Wu、Weixi Chen、匿名
新型コロナウイルス感染爆発初期の武漢で、COVID-19と最前線で闘う患者や医療従事者の姿をとらえたドキュメンタリー。