2017-2018に大きくマイナス影響を受けたYork・Peel・Durham地域が現在では取引数で二桁台の成長|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット
住宅マーケット年別比較チャート
出典: TREB ※グラフはデタッチからコンドまで全てのタイプを含めたものであり、トロント市とその他GTAを含めた平均です。
2019年10月のTREB全域の取引総数は8491件となり、昨年同月の7448件からプラス14.0%の増加となりました。
全物件タイプの平均価格は85万2142ドルで、昨年10月比でプラス5.5%の上昇です。新規リスティング数はマイナス9.6%、有効リスティング数はマイナス18.8%となっています。取引数の上昇とマーケットのサプライ減少は競争の激化を意味し、2年ほど前の政策介入を引き金としたスローダウンと一部マーケットの下降も、ほぼ回復を終えたように見受けられます。今後はバランスの取れたマーケットで一定の上昇率を保ちながら動いて行くのが大方の予想です。平均売却日数は23日とマイナス4.2%でした。
物件タイプ別に平均価格を見ますと、コンドアパートがプラス9.6%(市内プラス9.6%、市外プラス10%)でトップに立ち、セミデタッチ(準戸建て)がプラス4.2%(市内プラス7.1%。市外プラス4.7%)、タウンハウスがプラス3.1%(市内プラス3.5%、市外プラス2.7%)、最後にデタッチ(戸建て)がプラス3.0%(市内プラス1.1%、市外プラス4.2%)の順に並びました。
今月の金言
さて完全に回復基調にあるかに見えるマーケットですが、更に詳しく見てみると興味深い絵が浮かび上がって来ます。政策介入後2017-2018に比較的大きくマイナス影響を受けたYork・Peel・Durham地域が、現在では取引数で二桁台の成長を見せマーケットを牽引しています。2017-2018で価格が下がったという事は、逆に現在はお得な値段になったということで、マーケットが上昇している今はお買い得となる訳です。また取引数ではデタッチの伸びが一番となり、コンドを上回っています。これは2017-2018でデタッチが下降もしくはフラットになったエリアが多かったのに比べ、コンド価格は高騰し、マーケットが回復に転じた今はデタッチに目を向ける消費者の割合が増加していることを意味すると思われます。
D.H. Toko Liu(劉 東滉)
オンタリオ州政府公認不動産免許保持。日本生まれカナダの高校大学を卒業。日本での営業管理・経営、及び不動産管理業を経験、移民し現在に至る。