売り出し物件が増え取引数が減っており、在庫の急増へ。マーケット的にはさらなる下方圧力へとつながるか?!|家を買いたい!数字で解説トロント不動産マーケット
住宅マーケット年別比較チャート
2023年9月のTRREB全域・全物件タイプの総取引数は4,642件で、昨年9月の4,999件からマイナス7.1%となりました。2021年同月は9,046件だった事を考えると2年連続半数近くまで落ち込んでいますね。マーケットの低調さが伺えます。
全物件タイプの平均価格は111万9,428ドルで昨年同月の108万6,538ドルからプラス3.0%となりました。新規リスティング数はプラス44.1%と大幅増加、有効リスティング数もプラス39.8%と大きく増えています。売り出し物件が増え取引数が減っているということは、結果的に在庫が急増につながります。それはマーケット的にはさらなる下方圧力となるわけであまり良い状態とは言えません。
平均売却日数は30日間で2022年9月の35日間からマイナス14.3%となり、マーケットは若干スピードを持ち推移しています。
物件タイプ別に平均価格を見てみますと、
の順に並びました。
コンドアパートとそれ以外でマーケットが分かれているのが見て取れますね。秋は通常ならば非常に忙しいマーケットなのですが、売り出し物件が増加するなか取引数は減少という状態は、マーケットがかなり冷え込んでいることを意味します。
TOKO’s EYE
前述したように在庫数がかさんできますと、さらににマーケット抑圧し冷え込みを加速させる可能性があります。カナダ中銀も来年からそれ以降まで高レートをキープするだろうとの予想が強まる中、マーケット回復への道のりはまだ険しい状態であり、さらに一段もしくは数段の調整が入る事もあり得ます。腰を据えじっくり見守りましょう。