アメリカの蔵を見学して思ったこと。|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第135回】
今年の日本の夏は異常に熱く、まさに地球が沸騰しているようでした。ようやく10月になり、岩手県も朝晩は涼しくなって秋の気配です。それにしても、秋になるのがこれほど遅い年は無く、残暑がとても厳しい年でした。
私は仕事の関係で、9月中旬から末までアメリカのニューヨーク、アーカンソー、ロサンゼルス、ラスベガス、サンフランシスコ、と出張がありました。コロナ以来、4年ぶりのアメリカへの長期出張でした。
今回は、日本酒の紹介ももちろん仕事としてありましたが、それ以外にニューヨークで2蔵、アーカンソーで1蔵の現地の「SAKE」の蔵を見学させていただきました。その際に感じたのは、出来上がったSAKEの味は日本の日本酒と大きな違いが無いほどレベルが高くなっていることです。
しかし、お話しを聞いて驚いたのは、環境配慮の取り組みが日本では考えられないほど厳格に決められていて、特にニューヨークの蔵は排水にまでとんでもない厳しい基準があり、それを守らなければいけなく、そのコストと大変さは日本では考えられませんでした。それだけ、アメリカは環境配慮をしっかりとやっているのだと思いましたが、他方で、試飲会などを行いましたが、そのゴミは瓶や缶も、プラスティックカップも、紙も全て一緒の黒いビニール袋に捨ててしまっていました。
日本だと、このゴミの分別は都市部に行けばいくほど厳格で厳しく、環境配慮は日本とアメリカ、どちらが厳格なのかわからなくなってしまいました。
カナダはどうでしょうか?東日本大震災は天災としての自然災害ですが、近年の高温化、台風の増加などは人による地球温暖化の影響が大きくあると報道されています。
災害は天災もあれば、人災もある。
天災はどうしても抑える事ができないかもしれませんが、人災は抑えることが出来る。そうなると、やはり人は様々な環境に配慮して生活した方が、大きな自然災害を防ぐ1歩になると同時に、将来の地球環境にも配慮できます。国によって、環境配慮への手法は違いますが、私たちが出来る事を精一杯やる事が大切なのだと思います。
大きな1歩ではなく、小さな1歩の積み重ね。
これしか方法が無いような気がします。アメリカでも日本でも、そしてカナダでも人間は色々と考えなければいけません。そして力をあわせて、自然災害がこれ以上大きく、増えないように努力をしていきたいと思いました。
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