岩手で深刻化する熊との共存|東北の小さな酒蔵の復興にかける熱い想い【第166回】
前回大槌町の森林火災について書きましたが、無事に鎮火し、今は復興に入っています。
今回、人的被害がほとんど無かったことが不幸中の幸いでした。死者はゼロ。けが人も2名で、建物の被害は7棟になります。これは、地元の消防署や消防団の力が大きく、ちょっと以前に起きた同じ岩手県大船渡市の森林火災の際の検証も生きていて、前の災害が次の災害を助ける例になりました。
まだまだ本格的な復興には時間がかかりますが、是非カナダの皆さんにも復興の応援をよろしくお願いします。
日本は春になり、森林火災や地震もそうですが、それ以上に今問題になっているのが、岩手県の場合は「熊」の問題です。昨年の秋にもこの熊の問題は出ました。冬眠前に餌が非常に少ない年だった昨年、普通は山にいる熊が、餌を求めて町まで出てきました。
驚いたのは岩手県の県庁所在地である盛岡市のど真ん中にある、岩手県庁の隣の岩手銀行本店の地下駐車場に熊が現れた事です。あの市内のど真ん中に野生の熊が出るなんて、今まで経験がありません。餌不足の秋だったからそうなのかと思っていましたが、春になって冬眠明けの熊が「続々と」町に現れるニュースが出てきました。熊は賢く、一度餌の場所を知ればそれを記憶する、と言われており、町には危険もあるが餌もあると知った熊が出てきているのだと思います。
春は山菜の季節。岩手県は山菜のメッカでもあり、春に山菜取りをする方も多いです。その山菜取りをする方々がもともと熊対策はしっかりとしていて万全だったはずなのですが、春になって熊の被害を受けた方も出てきました。山のプロみたいな人でも被害を受けるなら、その山の麓で普通に生活する人はどうする事も出来ません。ウォーキングや犬の散歩も安心していく事が出来ません。
日本の場合は動物を殺す事=悪、と思う方も多く、熊を殺処分すると、市役所や県庁にクレームの電話が来るそうです。そういった方々のほとんどは都会の熊とは縁の無い方で、私たちのように田舎に暮らす者にとっては熊の問題は大問題です。町に出てくる可能性も高いので、盛岡市の特に熊が歩いてくると言われている川沿いのコンビニでは自動ドアがオフなっていて、自動ドアを主動であけて店に入らなければいけません。病院も自動ドアを手動に切り替えているところが多いです。
この問題も早く鎮静化する事を願っていますが、自然の問題なのでなかなか結論が出せないのも苦しい限りです。

オンタリオ取扱い代理店:
Ozawa Canada Inc
現在トロントで楽しめる南部美人のお酒は、「南部美人純米吟醸」とJALのファーストクラスで機内酒としても採用されている、「南部美人純米大吟醸」の二種。数多くの日本食レストランで賞味することが可能。
南部美人 / http://www.nanbubijin.co.jp

本文:南部美人 五代目蔵元 東京農業大学客員教授
久慈 浩介
岩手県の銘酒として知られる「南部美人」は、カナダ・トロントでも味わうことができる日本を代表する酒蔵で、2011年3月11日の東日本大震災で被災した蔵のひとつだ。5代目である久慈さんは震災直後から日本酒を通じて地域復興の様々な取り組みを行ってきた。本連載では久慈さんが体験したことや復興の取り組みなどを寄稿してもらう。














