People. 13 写真家 岡田舞子さん vol.2「トロントでの生活は私の生き方を変えてくれたと思う」|カナダワーホリを超えた今
海外に行ったら価値観が変わるという話をよく聞くけれど、本当にそうなのだろうかとトロントに行く前に思っていた。20歳の頃半年間アジアを旅した。でもそんな劇的に何かが変わった感覚はなかったし、日本に戻ったら日常は変わらずただただ毎日が過ぎていくだけだった。多分20歳の頃の私は何となく海外に行き写真を撮って作品ができることに安堵していただけだったのかもしれない。
トロントでの生活は私の生き方を変えてくれたと思う
トロントでの生活を始めた当初、私はホームシックになり外に出ることに不安を覚えた。学校に行って帰ってそれ以外ほとんど家から出ることはなかった。でもある時今私は何をしにここへ来ているのだろうという疑問が湧き、このままではダメだと思い英会話サークルや、教会に行っていろんな人と交流することにした。劇的な変化ではなかったが徐々に恐怖心はなくなり、結局その日から出かけない日はなかった。何もないけれどどこかに行くと文化の違いや面白さを見つけることができた。
日本に帰ってきてもいろんなことに目が行くようになったし、少しの疑問を深く考えることができるようになった。自分がいた世界から飛びたしてみることは素晴らしいものだと思えるようになった。
ワーキングホリデー制度は日本ではあまり良い印象ではない人も多いと感じる。多分原因は英語を習得できずに帰ってくる人が多いからではないかと思う。でもたとえ英語が習得できずとも、人との出会いや日本では経験できないことを見たり感じたりするだけでも素晴らしいことなのだ。写真とは全然違う経験でも写真に還元されることも多いのだとトロントに行って思えるようになった。
価値観が変わる感覚とは少し違うかもしれないけれど、確かにトロントでの生活は私の生き方を変えてくれたと思う。