People.22 vol.11 「Open Mic Night」平山ななみさん|カナダで挑戦する若者
あっという間に過ぎ去った今セメスターも、ひたすら勉学に励んだ毎日だった。私は自分を甘やかすのが上手な方だと自負しており、いい塩梅で息抜きもしていた。時々イベントにも足を運び友達と楽しむ時間も作っていた。そのイベントというのは、今までに何回も話題に出したMusic Business Practicumというクラスの一環として、学生が運営するイベント会社Breakthru Eventsが主催するものだ。毎セメスターに数回イベントを開催しており、その時間は勉強のことを忘れ、皆が楽しむことに集中している。今回は、その中で特に印象的だったOpen Mic Nightについて話そうと思う。
キャンパス近くにある小さなレストランで開催され、明るく可愛らしい店内が印象的だった。友人はイベントが始まる前にグラスワインを即注文し、楽しむ準備万端な様子で席を陣取っていた。このイベントは、ミュージックビジネスプログラムの学生の才能を紹介するもので、その夜は15人の参加者がオリジナル曲やカバー曲を織り交ぜた素晴らしパフォーマンスを披露してくれた。同じプログラムの多くの仲間たちが集まっていたため、アットホームな雰囲気がとても心地よかった。
私の友人も参加者の一人だったため、とても楽しみにしていたが、初めて公の場で披露することにとても緊張している様子だった。しかし、皆の暖かい歓声が会場全体を終始包み込んでいて、友人の緊張が段々と和らいでいくのが感じられた。彼女が披露した「Make You Feel My Love」のカバーはとても素晴らしく、いつもと違う一面を見ることができ、感動したのを今でも鮮明に覚えている。実は、パフォーマンス中にマイクが切れるというアクシデントもあったが、途中からマイクなしで完璧に歌い切った姿はとてもかっこよかった。
イベントは大成功に終わり、音楽の素晴らしさを再認識させられる特別な時間だった。異なるバックグラウンドや条件に関わらず、誰もが自由にパフォーマーとして参加でき、その姿を見に多くの人が集まり、音楽の魅力に誰もが触れ合える。この環境がとても愛に溢れていて、音楽が持つ人々を結びつける力の素晴らしさを改めて示してくれたと思った。