People.22 vol.16「カレッジ卒業」平山ななみさん|カナダで挑戦する若者
カレッジ卒業について書く日があっという間に来てしまった。私がこのコラムを書き始めたときには全く想像ができず、はるか遠くに感じていた。まだ日本にいた時に、このカレッジを見つけ、音楽満載のカリキュラムを見て、胸が高鳴ったのを覚えている。でもリアルを言うと、しっかり覚悟を決めて入ったが、それを超えるキツさだった。だが、もちろん入る前のワクワクを思い出させてくれるような場面はたくさんあり、国を超えた音楽を愛する人たちとの出会いもあり、音楽ビジネスに苦しめられながらも、音楽に助け支えられ、最後までやり遂げることができた。
私のカレッジ生活のハイライトは前回のコラムにも書いたWorld Music Festivalだと思う。カレッジ生活で学んだことを活かすことができ、失敗も含めて全ての出来事が私に自信を持たせてくれた。実はそこでの出会いが今も続いており、音楽における新たな繋がりを作れたのもとても嬉しく思う。正直何のスキルが一番伸びたのかというと、ビジネスメールだと思う。なぜなら、もう来るなと思う程メールに追われ、書きまくっていたからだ。
苦手であまり好きではなかった教科ももちろんあった。それはMusic Industry MathとAccountingである。昔から計算が得意で数学系に苦手意識はなかったが、そんなのは関係なく、しっかり叩きのめされた。音楽がただ好きだった頃にはほぼ考えなかったお金のことについて詳しく学ぶことができたのは、自分にとって大きな成長だったが、最初の方はあまりにもちんぷんかんぷんでメモさえも取れない程だった。それでも、何とかクラスをパスできた自分を少しすごいと思う。
このカレッジでの経験を通して、音楽がただ好きな人から、確実にレベルアップできたと思う。大切な友達や尊敬する先生との出会いも、私の成長に大きな影響を与えた。カレッジに入学し、学び、卒業できたのは周りの人のおかげでしかない。感謝の気持ちと、カレッジで得た経験と知識と共に、これからも音楽と繋がっていきたいなと思う。