People.23 vol.04「現地ライブから紐解く日本音楽の強み」Yuiさん|カナダで挑戦する若者
先日、アメリカ出身のインディーロックバンド「Lunar Vacation」のトロント公演に行ってきました!キャパ300人程度の、インディーミュージックの聖地と呼ばれるThe Garrisonでの開催でした。ステージとの距離が非常に近く、ドラムやベースの音が足に響くのはライブハウスならではで良いですね。インディーポップを奏でる彼らの音楽は、カナダの若者を魅力するようで300人会場をいっぱいに埋めていました。客のほとんどが20〜30代前半で、平日にも関わらず会場を埋める姿にコアなミュージックファンがトロントにもたくさんいる事を実感。ノスタルジックでドリーミーな音が組み合わさり、思わず日本のシティポップを彷彿させられました。
ここでふと思ったのですが、シティポップとインディーポップの明確な境界線ってなんだ?と。文面だけでいくと、インディーポップはメジャーレーベルに属さないアーティストが作るポップミュージックの総称。DIY精神が強く、ローファイな音作りや個性的なサウンドが特徴です。一方シティポップは1970〜80年代の日本発の音楽ジャンルで、AOR・ファンク・ディスコの要素を持つ都会的で洗練されたポップスとして分類されます。ほかにもドリームポップやダンスポップなど他にも複数ポップジャンルが存在しますが、正直その音楽を聞いた時、よほどのファンや業界人でないとその分類など明確には分からないでしょう。
つまり超完結に言うと、この雰囲気の曲がカナダで売れているのであれば、それに共感する日本のシティポップは海外での活路が今よりもっとあるということだと思います。
実際ビルボードチャートによると、アメリカ国内で売れている日本の楽曲としてフライデーチャイナタウンのようなシティポップが長期ランクインしています。最近Suchmosが活動再開しましたが、彼らやサカナクションのようなクールで独特の雰囲気×シティポップに似た楽曲は海外でも絶対ウケると思うんですよね。もちろんそのウケを狙うためにはもっと細やかな戦略やマーケティングが必要になるので簡単にこうだー!なんて言えないですが、アイドルが強い韓国・ロックが強いヨーロッパ・ポップスとヒップホップR&Bの強い北米などと比較したとき、日本の強みはアニメと個性的アーティストに加え、シティポップも牽引されるのではと感じました。