TORONTOのマルチカルチャーな温かい飲み物
寒さ真っ只中1月のトロント。冷たい外気から逃れるようにして入った室内で飲む、一杯の熱い紅茶。湯気の立つカップを、冷えた両手で包み込むホットチョコレート。きっと皆さんにも覚えのある、何ともほっとするひと時ですね。
様々なバックラウンドを持つトロントの人々にお尋ねしました。冬にぴったりなご自慢スープは何ですか?体がぽっと温まるおすすめドリンクは何ですか?
さあ、冬本番。体の芯から冷えた日は、これを飲んであったまろう。
■ フランス
ポトフ(Pot au feu) : 美食の国フランスでスープといえば、コンソメなど透明のものか、ポタージュなどのこってりしたもの。でも野菜と肉をゆっくり煮込んだポトフも冬の食卓によく並ぶ。湯気の向こうに食べた人の笑顔が見えるよう。
ヴァンショウ(Vin chaud) : ナツメグ、シナモン、クローブ、ジンジャー、ブラウンシュガー、レモンやオレンジの皮を赤ワインに加え温めたホットワイン。ピノノワール等の比較的ライトな赤ワインをベースにすると更によし。一口飲めば気分はパリのカフェ。
■ ポーランド
Malinowy
ロスウ(Rosol) : 冬の家庭料理の定番スープがこのチキンヌードルスープ。さっぱり味で、鶏肉と野菜でとった出汁の旨味が効いている。トロントでは東欧系のスーパーマーケットで手軽にインスタントのものも手に入る。
シロップマリノヴィエ(Syrop malinowy) : 冬の長いポーランドでは、フレッシュな果物の代わりに、ラズベリーなど果物の濃縮シロップでビタミン補給。このシロップを紅茶にたらせばフルーツティーに変身。
■ イタリア
ミネストローネ(Minestrone):イタリアのスープと聞いて思い出すのはやはりこれ。それぞれの地域で、様々なマンマのレシピがある。一品で多くの野菜が食べられる、体の中から温まる一品。
カフェ コレット(Caffe corretto) : エスプレッソにお酒を少々、その上にホイップクリームをのせてもまたよし。食後のコーヒーに食後酒、デザートが一つのカップの中におさまっている。グラッパやブランデーを入れるのが一般的。
■ 香港
湯丸(タンワン/Tang yuan):透明なスープに浮かぶ白く小さな丸い餅。スープのぴりっとした生姜味と、餅の中に入った甘い餡や練りゴマが、何とも相性良し。まるでデザートスープ。冬至など家族が集まる特別な日には必ず登場するそう。
香港式ミルクティー(Hong Kong style milk tea):濃いめに淹れたスリランカのセイロン紅茶に、コンデンスミルクやエバミルクを加えたトロリと甘いミルクティー。このミルクティーの旨さを競う大会が、ここカナダでも行われている。
■ ケベック
ピースープ(Soupe aux pois):ケベックで真冬に食べたいのがピースープ。昔から伝わるケベックの家庭料理だ。乾燥させたグリーンピースを煮込み、ぽってりとした食感に。メープルシロップをかけて食べるのがケベコア流。
カリブ(Caribou):赤ワインにウイスキーやブランデーをミックスし、メープルシロップで甘さを足す。ケベックシティの真冬の祭典Quebac City Carnaval では、このカリブを片手にほろ酔い気分で。
■ 韓国
チゲ/タン : 韓国語でチゲは鍋、タンはスープのこと。韓国には言わずと知れた数々の鍋やスープがある。キムチや野菜を煮込んだキムチチゲ?骨つき豚を頬張るカムジャタン?考えただけで汗が吹き出そう。
柚子茶(ユジャチャ):トロントのスーパーでも見かけるようになった柚子茶は、柚子を砂糖と一緒に煮込んでジャム状にしたもの。お湯で溶いてできる熱々の一杯で体がポカポカ。ビタミンCが豊富なので、ちょっと風邪を引いたかなという時にもおすすめ。