Women’s World Cup 2015 Canada
出場枠が8ヵ国増え、ますます世間の注目度高まる
Women’s World Cup 2015 Canada
大会概要
女子サッカーワールドカップといえば、2011年のなでしこジャパンの劇的優勝が記憶に新しい。国民栄誉賞、紫綬褒章、流行語大賞など受賞、個人では沢穂希選手が男女含めてアジア勢史上初のFIFA最優秀選手賞を受賞し、一躍なでしこブームを巻き起こした。あの感動をもう一度、ここカナダで第7回FIFA女子ワールドカップが開催される。日程は6月6日から7月5日、カナダ全土を使って行われる今大会は、バンクーバー、エドモントン、ウィニペグ、オタワ、モントリオール、モンクトンの計6ヵ所のスタジアムでの全52試合の開催が予定されている。今回TORJAでは来たるワールドカップに向けて、今大会からの新しい試みや注目すべき点について紹介します。

国際親善試合での勝利の様子

カナダvsアメリカ戦
今大会からの変更点
今大会の注目すべきポイントは、まずひとつに出場国の多さ。前回大会までは出場国は16か国だったが、今回は出場枠が8ヵ国増え全24ヵ国で試合が行われる。世界中で女子サッカーの注目度が高まってきている証拠だろう。また今大会の成績によって2016年のリオデジャネイロ・オリンピックに出場できるかどうかが決まるヨーロッパ勢の動向にも注目したい。今回から3ヵ国出場枠が増え、5ヵ国がオリンピック出場権3枠を争っていた例年と違い、今大会は8ヵ国が同じく3枠を争うことになる。これまでの大会以上にヨーロッパ勢のオリンピックをかけた白熱した試合が期待できる。
もう一つ、これまでと違う点は、スタジアムの芝で人工芝が使われる点だ。これまで、サッカーの試合では天然芝が使われてきたが、今大会は初めて人工芝が導入されることになった。主な理由は気候によるピッチコンディションの変化を避けるためと、カナダの気候を考慮するとたくさんの霜が降りてしまう天然芝では試合で使えるようになるまでには7月から8月までかかり、そうなると6月の大会には間に合わなくなってしまうためで、FIFAは今大会では気候の影響が少ない人工芝を試験的に採用することにした。男子ワールドカップではFIFAが天然芝のピッチのみで大会を開催するようにルールとして定めているが、女子にはその規定がないことが今回の人工芝利用の決定を後押しした。芝の状態が安定するという面ではイレギュラーバウンドが減るという利点もあるが、もちろん選手にとってはこれまでと違う環境でのプレーになるほか、体への負担も天然芝と多少変わってくるので賛否両論挙がっている。ピッチコンディションの違いからこれまでにとは違ったプレーを見ることができるかもしれない点にも注目していただきたい。

昨年10月の日本対カナダの国際親善試合

開催決定に湧く人々
注目国アメリカ
今大会注目国はやはりはアメリカ。これまでのワールドカップとオリンピックの全大会で常に3位以上の成績、そしてワールドカップで2回、オリンピックで4回の優勝を果たしている。2011年のドイツワールドカップでは決勝戦に日本と対戦した事も記憶に新しい。選手の中でも注目すべきは何といってもワンバック選手。現在国際試合での通算最多得点記録を持ち、34歳というベテランながらまだ得点記録を更新し続けるアメリカ代表不動のFWだ。人工芝という新たなピッチで、ワンバック選手がどのような活躍を見せるか要チェックだ。
開催国カナダの強み
今回の開催国であるカナダは、女子サッカー強豪国だということをご存知だろうか。これまでのワールドカップでこそ結果は振るってないが、2011年のPam Am Gamesでは優勝、2012年のロンドンオリンピックでも3位入賞など、ここ最近とても力をつけてきている。なかでも注目すべき選手はクリスティン・シンクレア選手。若い頃からその才能に注目されており、2002年のFIFA U-19女子選手権で大会MVPと得点王を受賞、その後代表に昇格し2011年ドイツワールドカップでは先制ゴールを決め、2012年にカナダサッカー協会100周年記念式典で「All-Time Canada XI women’s team」の一人に選抜されるなど、まさにカナダ女子サッカーを代表する選手である。そんな彼女は現在もチームのエースとして活躍しており、今大会での活躍が期待されている。彼女率いるカナダ代表の、本拠地での健闘を期待したい。
我らがなでしこジャパン
そして、そんなカナダ代表に10月の親善試合で連勝した我らがなでしこジャパン。前回のワールドカップ優勝後からユニフォームの左胸には優勝回数を表す星が、右胸には今回のワールドカップ結果が出るまでの間、王者を示すエンブレムの着用が許されている。注目してほしい選手は鮫島彩選手。先日の親善試合が久々の代表戦ながら後半終了間際に決勝ゴールを決めるなど、そのアグレッシブなプレーは日本を勝利へと導いてくれるだろう。佐々木則夫監督の元、選手の世代交代が進み、引退の可能性がある澤選手が抜けたとしても変わらずに新たななでしこジャパンの活躍を応援していきたい。男子サッカーにも引けを取らないその熱い試合をぜひカナダで楽しんではどうだろうか?

FIFA女子ワールドカップ2015

チームの大黒柱のChristine Shinclair選手
グループリーグ一覧(下線の付いている国が各グループのシード国)
Group A
カナダ、中華人民共和国、ニュージーランド、オランダ
Group B
ドイツ、コートジボワール、ノルウェー、タイ
Group C
日本、スイス、カメルーン、エクアドル
Group D
アメリカ合衆国、オーストラリア、スウェーデン、ナイジェリア
Group E
ブラジル、大韓民国、スペイン、コスタリカ
Group F
フランス、イングランド、コロンビア、メキシコ