冬に多いSAD(Seasonal Affective Disorder)の症状に注意しよう|留学カウンセラーが説く留学の心得 Vol.52
確かにトロントは1月2月くらいは非常に寒くなります。外はマイナスの気温になり、寒いというよりも空気が痛いというような感覚が近いと言えます。こんな寒さの中では外にでるのもかなり辛く感じる人も多いと思います。
ただ、この時期に寒いからと言って全く外に出ないでずっと家の中にいたりすると、思いのほか深刻な影響が出てしまう事がありますので注意が必要です。
日常生活編12:冬に多いSAD(Seasonal Affective Disorder)の症状に注意しましょう。
この寒い冬の時期によくその症状が見られる人が多くなる病気の一つに、SAD(Seasonal Affective Disorder)と呼ばれるものがあります。日本語では、季節性情動障害と呼ばれるものらしいのですが、その名前からも想像できる通り、季節に影響されて起こる精神的な障害のことを指します。
冬になると、寒いのが苦手だからといって家からあまり外に出なくなる人も多いでしょう。日照時間も短くなるのでずっと日の光を浴びずに過ごしたりする事もあるでしょう。このせいで、気がつかないうちに身体に少しずつネガティブな影響を及ぼしていることがあるのです。
SADの一般的な症状としては、 抑鬱、倦怠感、気力の低下、過眠、過食(又は逆に食欲の衰え)などがあげられます。ただ単に冬になると寒くて暗いから憂鬱になる、という人も多いと思いますが、実際には寒さが問題というよりは日の光や外気にあたる機会が減少することで、精神面や体内の機能に深刻な影響がでて来てしまったりするようです。
何もやる気が起こらない、体が常にだるい、体調不良、不眠、起きれない、気分が常に落ち込んでいる、というような症状が続くと精神的な障害とそれに伴う身体的な病気などに繋がってしまう可能性があるのです。
カナダは特に冬も長いですし、極寒の気温になることも多いので、現地で生まれ育ったカナダ人でさえ、このSADの障害を持つパターンも多いのです。トロントに来た留学生の中にも、冬が耐えられずに早くに帰国を決める方やバンクーバーなどに移動する方も少なくありません(バンクーバーも冬は雨が多いのでSADになる可能性も多いにあるのですが…)。
このSADの障害になってしまわないようにする為には、寒くてもできるだけ頑張って外に出て日光に当たることや、外気に触れながら身体を動かすことが大事です。トロントは幸い冬は寒くても晴天になる日が多いので、日中は日の光を沢山浴びることが可能です。気分が憂鬱だったとしても、一度寒いのを怖がらずに(勿論防寒対策をして)外に出て冬にできるアクティビティー(スケートなどであれば都市部にいても直ぐにできますね)を色々挑戦してみることをお勧めします。
寒空の下でも身体を少しでも動かした後は憂鬱な気分などは随分と軽くなりますので、是非そういった心がけをしていきましょう。
高林紘子
East-West カナダ留学センタートロント社代表
大学卒業後2001年に語学留学でトロントに渡来。語学留学とビジネススクール、ワーホリなどを経たのち、ジョージブラウンカレッジに進学。 成績上位者Dean’s Honour のタイトルを得てPost-Graduate Diploma取得。カレッジ卒業後、現職に就き就労ビザを経たのち永住権取得。カウンセリングした留学生は延べ1千人以上にも及ぶ。