第32回オンタリオ州日本語弁論大会が開催
第32回オンタリオ州日本語弁論大会が開催、 最優秀受賞者をニコル・リーさんが受賞

毎年恒例となったオンタリオ州日本語弁論大会が3月8日にトロント大学メディカルサイエンス・ビルディングにて開催された。今大会は同大会実行委員会主催、日系企業25社協賛の下行われており、それぞれ初級、中級、上級、オープンの4つのカテゴリーに分かれ、出場者はネイティブ言語ではない日本語を用いてのスピーチを披露するというもの。
冒頭では山本栄二総領事が挨拶。山本総領事は第32回を迎えた歴史ある大会の開催を喜ぶと同時に、前日に行われたきゃりーぱみゅぱみゅトロント公演の話などを交えて出場者の緊張をほぐしながら、日本語を学ぶこと、そしてこれから始まるスピーチを楽しむことが大切だと参加者たちに言葉をかけた。





そして始まった各出場者によるスピーチ発表。今年の出場者は初級15名、中級6名、上級8名、オープン3名の計32名で、初級から順にスピーチが発表されたが、一人目の発表者からしてすでに日本語レベルが高く、果たしてこれは初級カテゴリーなのだろうかと疑ってしまうほど。アニメや音楽といったポップカルチャーから、地球市民といった学術的研究テーマかのような題材のものまで、様々に趣向を凝らした32のスピーチが発表された。
発表が終わり、ウォータールー大学レニソンカレッジ研究教授の原貴美恵審査委員長をはじめとした審査員5名による審査が行われる中、会場では日本文化紹介が行われ、よさこいグループ『桜舞』、JCCCなぎなたクラブによる演舞が発表された。
そうして迎えた審査結果発表。出場者たちは緊張した面持ちで、原審査委員長の告げる審査結果発表に耳を傾け、各賞発表の度に歓声が上がった。今大会では上位だけでなく、特別賞、努力賞、さらにはユーモア賞などの表彰も行われ、各受賞者に賞状とともに日系企業からの副賞が贈られた。
初級大賞には人生をジェットコースターになぞらえ、これからの自分の人生に対する決意を込めた『かかってこい』を発表したプリヤンカ・ラオさんが選ばれ、トヨタカナダ社の広佐古博之氏より奨学金が贈られた。次の中級大賞には、周囲からあえて困難な道をいつも選んでいると言われながらも、自分の決めた道をしっかりと歩んでいきたいという『私の道』を発表したチャンル・ウェイさんが選ばれ、ホンダカナダ社より奨学金が、また、“uh ohシンドローム”を題材に第一印象でなく、物事の本質を見極めることの大切さを説いた『“uh oh!”という前に』を発表、オープン大賞を受賞したイン・タンさんにはノリタケカナダ社よりディナーセットが贈られた。
そして今大会最優秀賞である上級大賞に選ばれたのは『シンデレラにさよならを』と題したスピーチを発表したニコル・リーさん。多くの女性が一度は憧れるだろう童話『シンデレラ』に対する疑問を聴衆に提示。シンデレラのように誰かに幸せにしてもらうのではなく、宮崎駿監督アニメ『千と千尋の神隠し』の主人公・千尋のように、シンデレラと同じような境遇となりながらも自らの手で運命を切り開く女性像が理想的ではないかという考えを唱え、聴衆の共感を誘った。ニコルさんにはカナダ三井物産株式会社の小室徹夫社長より日本行き往復航空券相当額と奨学金が贈られた。
ニコルさんは弊誌インタビューに対し「スピーチ中はとても緊張しました。最後に間違いをしてしまって心配しました。来年頑張ろうと思っていたら、私の名前が呼ばれてびっくりしました」との受賞への驚きを、一つ一つ丁寧に日本語で語ってくれた。
今大会の各部門大賞受賞者4名は3月29日に在カナダ日本国大使館にて行われる第25回全カナダ日本語弁論大会へと出場、全国大会でもその力を発揮した。
毎年開催されている今大会を目標に日本語学習を励む者は多い。今大会が将来日本とカナダ、そして世界を繋ぐ人材たちの育成に大きな役割を担っている。




