輝くカナダの「光」ランキング|特集「カナダの光と闇」
世界の住みやすい都市、生活の質、教育そしてベストカントリーランキングなど多岐にわたる調査で上位に選出されるカナダ。トロントをはじめ、バンクーバーやモントリオールなどカナダの主要都市もたびたびランキング上位に登場する。さまざまなカテゴリーに目を向けてカナダがどのような分野で注目されているかを見てみよう。
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カナダの暮らしやすさは世界トップクラス
カナダのいいところと聞いて多くの人が口にする「住みやすさ」。2020年の住みやすい都市ランキングでは、モントリオールが9位、トロントが13位にランクインした。調査元のKnight Frankによると、犯罪発生率や労働時間に加え、日照時間の長さや緑地・公園の多さなどが住みやすさの指標になっている。
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トロントは世界のインフルエンサー
金融やファッション、音楽、テクノロジーなど幅広い指標から算出される「経済的影響力」。トロントは世界10位にランクインしている。スタートアップが多く立ち上げられていることも経済的影響力の一助になっている。ちなみに東京は3位にランクインし、アジアの国では最高順位。
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カナダの元気の秘訣は?
ブルームバーグが発表した国別健康ランキングでは、カナダが北米地域で最高順位の16位にランクインした。健康指標はインフラ整備や衛生状態に加えて、国民の食習慣も大きく影響されている。日本が4位にランクインしているのは和食の効果もあるのかもしれない。カナダは手厚い医療制度で知られているが、国民の健康の秘訣はどこにあるのだろうか。
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イノベーティブな国・カナダ
イノベーション指標は、先進技術開発やスタートアップの数、税率などの幅広い分野の要素から算出される。カナダは10位にランクインしており、移民を広く受け入れる姿勢が大きく評価されているようだ。また、AIをはじめとした先進技術研究が評価され、日本はこのランキングで1位にランクインした。
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老後を過ごすならカナダかも?
2050年には60歳以上の人口は世界総人口の1/4にあたる20億人以上に上ると予想されている。「CEOWORLD Magazine」は平均寿命や平均生活費、年金受給年齢などの7つのカテゴリから高齢者の暮らしやすい国のランキングを発表した。医療制度の充実が後押しし、カナダは7位にランクインしている。
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ピースフルな国・カナダ
毎年公表されている世界平和指標は、対外戦争や内部紛争の有無だけでなく、軍事支出や国内の犯罪発生率、テロリズムへの意識など幅広い要素から算出される。カナダはニュージーランドやノルウェーと並び、積極的な移民受け入れの姿勢が評価され、6位にランクイン。
一方で、日本は交戦権の放棄を明示した憲法を保持することなどを理由に、9位にランクインした。
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カナダ人の政治意識の高さの理由とは?
国内の格差や政治の腐敗は、政府や企業の不十分な情報公開に結び付けられることが多い。情報の透明性ランキングでカナダは1位にランクインしており、去年の5位から大きく上昇した。「U.S. News」はカナダ国民の政治や市民権に対して、デモなどを通してアクティブに働きかけていることを高く評価している。
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勉強するならカナダが一番?
日本人学生の留学先でも大人気のカナダ。世界的にみても、カナダの教育水準は高く評価されており、25-64歳の国民の高等教育修了割合は世界1位にランクインした。カナダでは上記の対象人口の56.7%が、日本では51.4%が高等教育を修了しており、日本の順位はカナダに次ぐ2位であった。
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パワフルな女性が社会を牽引するカナダ
女性の社会進出・地位向上が世界的に求められている昨今。「World Economic Forum」が発表した女性の社会進出ランキングで、カナダは世界15位。しかし、カナダでは女性CEOの割合は全体の25.8%に留まっており、日本の5.3%に比べると格段に高いが、本来求められている水準に達することはまだできていない。
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留学するならやっぱりカナダ!
「QS Top Universities」が2020年に発表した「学生にオススメな都市ランキング」でモントリオールが6位にランクインした。モントリオールはマギル大学を始め6つの大学を包含するカナダ屈指の学術都市。フランス語と英語のバイリンガルな環境や、ヨーロッパ調の美しい街並み、たくさんの美術館・博物館も学生の人気を集めている。
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意外?ノーベル賞受賞者も多かった
教育水準の高さに定評のあるカナダだが、これまでのノーベル賞受賞数も多い。日本の8位に続いて、カナダはノーベル賞受賞数で世界9位にランクインしている。2019年にノーベル物理学賞を受賞したドナ・ストリックランド博士(ウォータールー大学)は、女性では55年ぶりの物理賞受賞者となり話題になった。
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イメージ通り?移民大国カナダ
カナダに暮らしたことがある人なら誰しもその人種の多様性に驚くはず。地下鉄にのっていると周囲からはいくつもの異なる言語が聞こえてくるほど。「Pew Research Center」が行った調査では、カナダ人の68%が「移民は自分の国を強くしてくれる」と回答し、これは調査対象になった18カ国の中で最も多かった。
カナダ政府は2019年にさらなる移民受け入れ計画を発表したが、国民の移民に対するポジティブな姿勢も高く評価されている。
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カナダでインターネット利用は高い?
私たちの暮らしに必要不可欠なもの、インターネット。「Deutsche Bank Research」の実施した1ヶ月のインターネット利用にかかる金額の調査では、バンクーバーが世界で11位、トロントが18位にランクインした。カナダではカフェや公共施設ではWi-Fiが完備されていることが多いが、自宅でインターネット回線を契約するとかなり費用がかさむようだ。
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カナダ人は臓器提供に積極的?
「Ipsos Reid」の調査によると、カナダ人の81%が「死後に自分の臓器を提供してもよい」と回答した。また、この臓器提供の姿勢は大西洋州で最も顕著であり(91%)、ブリティッシュコロンビア州が最も消極的であった(77%)。しかし、実際に臓器提供の意思表示カードを携帯しているのは全体の54%であり、臓器提供に対する姿勢と行動には若干の齟齬が生じているようだ。
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社長になるならカナダかも?
働き方の多様化する現代社会では、リモートワークや起業をする人も珍しくなくなってきた。「U.S. News」の公開した「起業にオススメの国ランキング」でカナダは6位に選出された。特にトロントは高い評価を受けており、シリコンバレーなどからも起業家が集まるベンチャーのハブとなっている。選考基準は融資の受けやすさや、起業のためのインフラや法の整備、政府からの補助などが挙げられる。
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アカデミアを牽引する国・カナダ
「Scimago Journal & Country Rank」は国ごとの学問の盛んさを測る指標のひとつに、学術論文や学術誌における引用数で計られている。カナダの学生の間ではAI研究やコンピューターサイエンスが特に人気の専攻であり、今後のさらなる研究発展が期待されている。
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トロントの医療は世界トップクラス
「Newsweek」が発表した2020年版の「世界トップレベル病院ランキング」において、トロントのToronto General(University Health Network)が4位にランクインした。選考には提供される医療サービスの質に加えて、病床のキャパシティなども考慮されている。良質な医療サービスを受けられることも、カナダの人々の生活の質に貢献しているのかもしれない。
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見どころたくさん、旅行もやっぱりカナダ!
旅行・観光業は世界の総GDPの約1割を占め、今後も成長が予想される産業のひとつである。「World Economic Forum」の公表した「観光業で競争力の強い国ランキング」において、数あるリゾート地を差し置いて9位にカナダがランクインした。ナイアガラの滝やイエローナイフのオーロラなど、カナダの雄大な自然は世界中の観光客を魅了してやまないようだ。
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自然がたっぷり、クリーンさも自慢
2015年に国連で掲げられた「SDGs(持続可能な開発目標)」をはじめ、世界的に環境に配慮した政策や開発の必要性が重視されている。各国の自然環境を評価する指標に「EPI(環境パフォーマンス指数)」がある。カナダはこの指数ランキングで世界25位にランクインし、特に空気の質では4位に選ばれている。
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生活費は高い?安い?
どこに住むにしても、やっぱり気になるのは生活にかかる費用。「GO Banking Rates」はニューヨークと比較したときの生活コストを指標に用いて、世界中の都市の生活費をランキングにまとめて公表している。カナダは24位にランクインしたが、ニューヨークに比べ食費では29%、家賃に至っては70%ほど抑えられるという。ちなみに8位の日本と比較すると、生活費は比較的安いのかもしれない。