被災学生たちの2週間のカナダ体験
みなさんこんにちは。もう夏の終わりは近いのだな、というかすでに秋到来?と天候の移り変わりに少しやきもきしている坂本です。肌寒いときのエアコンガンガンの施設内は、身体に本当によろしくないですね…
さて、先日、8月7日から21日の約2週間に渡って、東日本大震災で被災した10名の学生たちと引率者1名のご一行が『Support Our Kidsサマーホリデー in Toronto』プログラムで、トロントに滞在しました。このプログラムはトロントでは今年で2回目の開催で、参加学生は滞在中、自らの被災体験を各方面に伝えながら、ホームステイ体験やサマーキャンプへの参加、バラエティビレッジやJCCC訪問、ナイアガラの滝観光などで様々なカナダ体験をしていました。
8月7日の歓迎レセプションでは、到着直後の疲れからか、それとも緊張からか、全体的に大人しい雰囲気だった生徒たちでしたが、20日の送別会では、お世話になった方々やメンバー間で、多くの交流が見られました。2週間という期間のビフォー・アフターを目の当たりにした感覚ですね(笑)。
生徒たちの参加動機は様々で、「世界を見たかったから」「薦められて興味を持ったから」「自分を変えたかったから」など、まさに十人十色。それぞれいろいろな思いを胸に集まった10名の生徒たちが、カナダでの経験を通して、思いを一つにあるプロジェクトを始動することに決めました。『はばたきプロジェクト』というプロジェクトで、自分たちの翼ではばたいていくという意味が込められ、このプロジェクト名が命名されました。今回自分たちがカナダで体験したようなキャンプを日本でもしたい、その思いから、帰国後に、日本で震災のことを伝えながら、防災アクティビティを子供たちと一緒に行っていくというのがこのプロジェクトの主旨です。引率者の高土さんによると「帰国前に帰国後に行うプロジェクトを立案する生徒たちは今回がはじめて」だそう。生徒たちの自立心、そして行動力に、とても勇気づけられます。
今回の参加生徒の中には、すでに行政への街復興案の提案を行うグループで活動する生徒や、「ソーシャルワーカー」や「消防士」「パティシエ」など将来の夢を持っているという生徒が多かったように思います。今なお10万人以上が自宅に帰れないという状況があること、そのことを身近に、実感しながら、前を向いている生徒たち。これからを担っていく彼らがしっかりと希望を持っていることは、なんとも心強い思いです。年齢こそ離れていますが、私もその若者世代の一人(たとえ老け顔でも)。私には何ができるのかな、こういった事実を伝えていけるようにありたいな、と考えます。