祝!金メダル!おめでとう羽生結弦選手

先日開催された平昌オリンピック・フィギュアスケート男子で羽生結弦選手が66年ぶりの二連覇で金メダルを獲得したことは、読者の皆さんはじめ、きっと多くの人が感動したことだろう。

 羽生選手がここカナダ・トロントを生活拠点にして、長年の間、選手生活を行なってきたことは周知の事実だが、カナダに来た当初から羽生選手の身の回りの世話や、トレーナーとして羽生選手を心身ともにサポートして来た人たちがここトロントにたくさんいる。

 今回TORJAではその中の一人で、数々のオリンピック選手のサポートをしているマッサージセラピストの青嶋正さんに、羽生選手の来加当時のエピソードから二連覇の喜び、そして真のチャンピオンとして期待することなどを、弊誌の質問に回答してもらう形で特別寄稿してもらった。

●(金メダル翌日に編集部と偶然出会い)羽生選手やりましたね!二連覇、金メダルは嬉しいですね。

嬉しいですね。
とても嬉しいです!

●青嶋さんは羽生選手がカナダに来た当時からサポートをされて来た「チーム羽生」の一人ですよね。当時を振り返られていかがですか?

 当時、スケート関係者に頼まれピアソン空港に迎えに行ったものの、「羽生君って誰?」という状態だったので、会う前にインターネットで検索して本人の基本情報を得たりしたのが懐かしいですね。

 さらに、その頃はカナダでのステータスがないので部屋が借りられないですし、本人からは

「お米はどこで買うんですか?」
「英語不得意です」

 といったハンデだらけのスタートでしたので、トロントの多くの友人に力を借りてのスタートとなりました。

 初回のミーティングでは、「いい形のジャンプが跳べるので、平昌オリンピックで金メダル取らせてあげて!」と前述スケート関係者に頼まれたのですが、私自身が、多くの選手を担当して来た経験上、6年間は私のクリニックの患者さんにかける迷惑が大きくなるので、その時に2年後のソチで勝負をしてもらうことで話がまとまりました。

 ほぼ無名選手、プラス、それなりのコンディションの選手を2年間で金メダルというストーリーに乗せるために行ったことは、なぜ、今の「コンディション」や「考え方」ではダメなのかを論理的に理解して貰うために、身体の仕組みを始めとして様々な常識を一緒に学んで貰うことでした。
 1年程の時間をかけて丁寧に説明して行きました。

 当時、日本のエースであった高橋大輔選手やパトリック・チャン選手などとの有力選手との試合では、気合い空回りという失敗もありましたが、論理的に積み上げて来たコンディショニングを自分で信頼してもらえるようになってからは、安定感が出てきたように思いました。

 そして、幸運もありソチオリンピックで金メダルを手に入れることが出来ました。身体の安定感を得てからの羽生選手の活躍は皆さんもご存知の通りです。

●今、羽生選手にかけてあげたい言葉があるとすればどんなメッセージになりますでしょうか。

 オリンピック2連覇という偉業を成し遂げた今、羽生選手に望むことは、かつて、誰にも振り向かれず、3人しかいなかった「チーム羽生」が試合の度に苦労した様々な理不尽な障害や、業界のしがらみをクリーンにして、全ての選手がフェアに戦える環境を整えていってもらいたいです。そして、誰も語らない、この競技のもつ危険性などを表面化してください。
 その上でフィギュアスケートという競技が本当の意味で発展できる道筋を作り、自分の発言が出来る、「真のチャンピオンの姿」でいてくれることを期待しています。

 トロントでマッサージセラピストとして多くのアスリートをサポートしている青嶋先生のコラムは、バックナンバーも含めてTORJAウェブサイトでチェックできます。羽生選手の専属トレーナー時代のエピソードなども必読です。